最新記事

アフリカ

ウガンダ独裁大統領と反ゲイ法案

反政府デモのなか4期目をスタートしたムセベニ大統領のもと、同性愛死刑法案は可決されるのか

2011年5月13日(金)16時38分
アンドルー・メルドラム

圧政の放水 野党支持者による反政府デモに対し、治安当局が色つきの水をまいて弾圧 James Akena-Reuters

 ウガンダで5月12日、2月の大統領選で4選を果たしたヨウェリ・ムセベニ大統領の就任式が行われるなか、抗議デモが発生した。食料や燃料価格の高騰に加えて、既に25年に及んでいる長期政権への反発がデモの要因だ。

 自身の支配に反対する勢力の撲滅を誓ったムセベニ。その姿は、どんな手段を使ってでも権力の座にしがみつこうとするアフリカの独裁的指導者にどんどん近づいているようだ。ジンバブエのロバート・ムガベ大統領が就任式に参列したことが、何よりもそれを物語っているだろう。

 この日、ケニアに滞在していた野党指導者のキザ・ベシジェ元内相も突如、ウガンダに帰国。多くの支持者が首都カンパラに到着したベシジェを歓喜の声で迎えるなか、治安部隊との衝突も起きた。2月の大統領選に立候補していたベシジェは選挙結果を受けてムセベニの不正を主張し、反政府運動を展開。これまで何度も当局に拘束されている。

ゲイ弾圧にアメリカ福音派の影

 一方、13日には悪名高い反同性愛法案の審議が再開される。同性愛者の死刑を盛り込んだ同法案が最初に提出されたのは09年。以来、国内で物議を醸すのはもとより国際社会からも非難されている。

 はたして死刑の条項は削除されるのか? 身内の同性愛者を当局に届け出ない家族に対する実刑も避けられないのか? そもそも同性愛であることは罪なのか? 同法案の行方に世界の耳目が集まっている。

 ムセベニによるベシジェや反体制派に対する弾圧の強化と同様、ウガンダ社会の同性愛者に対する弾圧も激化している。ウガンダでの反同性愛運動の高まりには、同国を往来して集会を開くなどしているアメリカの福音派宣教師らが関係していると言われている。

 ちなみにムセベニとベシジェは共に国民抵抗軍の戦士としてオボテ政権と戦った仲だ。しかも当時ベシジェはムセベニの主治医でもあった。かつての友情関係は今や、完全な敵対関係に変わっている。

GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

日米が電話外相会談、米側から艦船派遣の要請なかった

ワールド

自衛隊の中東派遣、「情報収集」目的で政府検討 ホル

ワールド

ロシア大統領府、ウクライナ和平プロセス停滞とのFT

ワールド

イラン攻撃で3週間の作戦計画、イスラエル軍 レバノ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目のやり場に困る」衣装...「これはオシャレなの?」
  • 3
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングアップは「2セット」でいいのか?
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 6
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 7
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 8
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    ぜんぜん身体を隠せてない! 米セレブ、「細いロープ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中