最新記事

テロ

アルカイダ新雑誌をヒットさせる11の助言

2010年7月21日(水)17時36分
クリストファー・ビーム

(7)ランキングで攻めろ

 リストやランキングは読者の目を引くもの。そこでこんなリストの掲載を提案したい。「聴いてはいけないアルバムトップ10」「聖典コーランで無視するべき反ジハード的な記述60」「15歳以下の自爆テロ犯15人」。そしてもちろん年間「ベスト・ムラー(宗教指導者)」リストも。

(8)読者を巻き込め

 報道するだけではいけない。読者との双方向性を生み出そう。アルカイダの大物と参加者が交流できる読者限定のサロンを開催すればいい。ホストはインスパイアを率いる24歳の若手敏腕編集長サミール・カーンだ。

 厳格な復古主義であるワッハーブ派の先端を走るような読者から、市民ジャーナリズムを引き出そう。例えば「外出を禁じられた女性の秘密のダイアリー」を連載してみてはどうだろう。

(9)シンプルであれ

 死後の世界について長々としたエッセーを読むほど暇な人はいない。記事は短く内容は濃く、要点を突くべきだ。キーポイントは頭に持ってこよう。死後の世界は何を与えてくれるのか? なぜ私たちは死後の世界を気にかける必要があるのか? そもそも死後の世界がいま流行しているのはなぜなのか?

(10)役立つ雑誌になろう

「イエメン国民に告ぐ」のような薄っぺらい熱弁は控えめに。「暗号化メッセージの作り方・読み取り方」特集を掲載するなど、サービス精神旺盛なジャーナリズムであるべきだ。読者は「なぜ」彼らがジハードを遂行するのか、などはとっくに知っている。知りたいのは「どうやって」実行するか。例えば殉教ビデオを作ってみてはどうだろう。

(11)人材を確保せよ

 インスパイアにはほかのニュースメディアと比べて圧倒的に有利な点がある。豊富な資金だ。潤沢な資金を投資して、例えばニューズウィークのような経営難のメディアから有能な人材を集めよう。


 インスパイアの未来は明るい。これらの助言に従えば、メディア市場で「爆発」的なヒットを飛ばせることは間違いない。

Slate.com特約)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米PCE価格、6月前年比+2.6%に加速 関税措置

ワールド

米、新たな相互関税率は8月1日発効=ホワイトハウス

ワールド

米特使、イスラエル首相と会談 8月1日にガザで支援

ビジネス

エヌビディア「自社半導体にバックドアなし」、脆弱性
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから送られてきた「悪夢の光景」に女性戦慄 「這いずり回る姿に衝撃...」
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 4
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 5
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 6
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 7
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 8
    街中に濁流がなだれ込む...30人以上の死者を出した中…
  • 9
    【クイズ】2010~20年にかけて、キリスト教徒が「多…
  • 10
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心…
  • 6
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 7
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 8
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 9
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 10
    「様子がおかしい...」ホテルの窓から見える「不安す…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 7
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中