最新記事
宇宙

【動画あり】火星に古代生命が存在していた!? NASAが火星の岩石に「生命の痕跡」を発見

NASA Reveals New Evidence for Ancient Life on Mars

2025年9月13日(土)08時00分
ゲイブ・ウィズナント

本当に生物の痕跡か?

2021年に「ジェゼロ・クレーター」へ着陸したパーサビアランスは、かつて生命の兆候が存在したとされる場所で岩石に穴をあけ、サンプルを採取・保存するためのドリルとチューブを装備している。

同探査車には生物そのものを直接検出する機能はないが、岩石や土壌のコア試料(内部から棒状にくり抜いて採取した試料)を収集し、将来的に地球へ持ち帰るための準備を行っている。

しかし、その回収ミッションは、コスト削減と迅速化の方法をNASAが再検討しているため、現在停滞している。


この発見は研究チーム内外から注目を集めている。SETI研究所のジャニス・ビショップと米マサチューセッツ大学アマースト校のマリオ・パレンテは、本研究には関与していないが、この結果を「興奮すべき発見」とした。しかし、それが生物学ではなく地質学的、化学的なプロセスによって説明できる可能性があると慎重な姿勢を示した。

研究責任者である米ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校のジョエル・ヒューロウィッツもAP通信に対し、「生命の決定的な証拠だと断言することはできない」と同様の見解を示した。

「我々が言えるのは、微生物生命という説明が可能性の一つであるということにすぎない。観察された特徴を別の要因で説明できるとも考えられる」

それでもヒューロウィッツは、今回の発見を探査車によるこれまでで最も説得力のある成果だと述べた。パーサビアランスは今回採取されたものも含め、30のサンプルを採取している他、残り6つのサンプル採取も予定しているという。

「もしこれらの特徴が、数十億年前に他の惑星で生きていた何かによって形成されたと決定的に証明できたら、それは驚くべきことだろう」とヒューロウィッツは語る。

「たとえそうでなかったとしても、自然がいかにして我々を惑わせるのか、重要な教訓を与えてくれるはずだ」

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

日米首脳会談でロシア産LNG議論、サハリン2の重要

ビジネス

ゴールドマン、11月の英利下げ予想 年内据え置きか

ワールド

チェコ、来月3日に連立合意署名へ ポピュリスト政党

ワールド

日中、高市首相と習国家主席の会談を31日開催で調整
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」にSNS震撼、誰もが恐れる「その正体」とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    コレがなければ「進次郎が首相」?...高市早苗を総理に押し上げた「2つの要因」、流れを変えたカーク「参政党演説」
  • 4
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 5
    【クイズ】開館が近づく「大エジプト博物館」...総工…
  • 6
    「ランナーズハイ」から覚めたイスラエルが直面する…
  • 7
    楽器演奏が「脳の健康」を保つ...高齢期の記憶力維持…
  • 8
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 9
    リチウムイオンバッテリー火災で国家クラウドが炎上─…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 10
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中