大西洋航路の往復運賃「5000ドル」の旅...21世紀の「超音速」旅客機は夢か現実か

FLIGHT OF FANCY

2025年5月12日(月)09時48分
シオ・バーマン(本誌記者)

コンコルドの模型 BENJAMIN GIRETTEーBLOOMBERG/GETTY IMAGES

コンコルドの模型 BENJAMIN GIRETTEーBLOOMBERG/GETTY IMAGES

若い頃にアマゾンで働いていたというショールは、あるとき博物館でコンコルドの機体を見て、「こいつをもう一度飛ばそう」という夢に取り付かれ、14年にブーム社を立ち上げた。

16年に新型超音速旅客機オーバーチュアの開発に着手し、20年にデモ機のXB1をデビューさせた。サイズは実機の3分の1ほどにすぎないが、今年1月に行われたテスト飛行ではマッハ1(時速約1225キロ)を超え、音速の壁を突破した。

最終的には巡航速度マッハ1.7を目指している。

飛行ルートの可能性が広がる

この飛行機ならソニックブームは起きないことが、XB1による一連のテスト飛行で確認されたと、ショールは言う。

かつてのコンコルドはソニックブームによる轟音のために海の上しか飛べなかったが、本当に深刻な騒音公害の懸念が解消されれば、新世代の超音速旅客機は陸地の上も飛べることになる。


その場合、オーバーチュアが飛べる航路は格段に増える。サンフランシスコと東京は6時間ほどで結ぶことができる。ニューヨーク近郊のニューアーク・リバティー空港からフランクフルト(ドイツ)の空港までなら、今の半分の4時間程度で済む。

コンコルドの成功と挫折に学んだからこそ今の自分たちがある、だからコンコルドの名を汚さないためにも失敗は許されない──現場の技術者たちはそう考えている。

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