旧ソ連の宇宙探査機「コスモス482号」、5月に地球へ落下か?
Soviet Spacecraft Set To Crash Into Earth in May
宇宙からの長い落下
「コスモス482号」の軌道は数十年かけてゆっくりと低下してきた。1972年の打ち上げ以来、最も高い軌道高度(遠地点)は9800kmから370kmまで下がり、低い地点(近地点)は近年、低下を始めている。
「もはや次の周回に必要な速度を維持できません。これからは自由落下に入り、地表衝突時の速度は秒速65〜70メートル程度になるでしょう」とラングブルーク講師は予測する。
宇宙開発初期の「残像」
「コスモス482号」は、金星着陸に成功した「ベネラ8号(Венера-8)」と同時期に打ち上げられたが、タイマーの不具合によりロケット上段が予定より早く停止し、軌道に取り残されていた。
その後、探査機のランダー部分が1972年6月に母機から分離され、1981年には一部が大気圏に再突入している。今回落下するのは、このランダー部分にあたる。