「答え」より「気づき」がほしいあなたへ...自己理解を促すAIコーチ「AIMY」

2025年3月28日(金)14時00分
菊池大介

──会話内容が開示されないとなると、本当に効果が出ているのか不安に思う企業もあるかもしれません。AIならではの「ハルシネーション」などへの対策はどうなっているのでしょうか?

大塚 その点は非常に重要なご懸念だと思います。AIMYでは、企業ごとに事前に提供いただいた情報──たとえば企業のバリュー、行動規範、社員に目指してほしい「あるべき姿」など──をインプットすることで、AIが大きく的外れな方向に進まないようにセットしています。

──パンデミック以降、ウェブツールに対する抵抗感がかなり薄れてきたように感じます。CoachHubとしても、その変化を実感される場面はありますか?

大塚 はい、まさにおっしゃる通りです。私たちもAIMYを正式リリースする前に、ユーザーテストやベータ版を通じて多くの方々に試していただきました。そのなかで見えてきたのは、想定以上にAIとの対話に対する抵抗感が薄れていたことです。

実際、使い始めるとすぐに慣れていく方が多く、人間の適応力の高さを改めて実感しました。日本でも、数年前までは「Zoom」での会議さえ一般的ではなかったことを考えると、AIシフトもスムーズに進むのではないかと思っています。

──では、人間のコーチとAIコーチAIMYの役割分担や共存について、どうお考えですか?

大塚 この点はとても重要なテーマです。「AIMYが人間のコーチを置き換えるのではないか」と聞かれることもありますが、私たちはまったく逆の考え方をしています。

現在、CoachHubには世界中で3500人以上の認定コーチが登録しており、皆さん国際資格を持ち、マネジメント経験など一定の基準を満たした方々です。このコーチの力を届けていくことが、私たちの第一の使命です。

その一方で、人間のコーチのリーチが届かない、いわゆる非管理職や現場のスタッフといった「残りの80%」の層には、AIMYを通じてコーチングを届けるという役割分担を想定しています。この棲み分けが非常に重要だと考えています。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米中貿易協議で大きな進展とベセント長官、12日に詳

ワールド

プーチン氏、15日にトルコで直接協議提案 ゼレンス

ビジネス

ECBは利下げ停止すべきとシュナーベル氏、インフレ

ビジネス

FRB、関税の影響が明確になるまで利下げにコミット
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王子との微笑ましい瞬間が拡散
  • 3
    「隠れ糖分」による「うつ」に要注意...男性が女性よりも気を付けなくてはならない理由とは?
  • 4
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 5
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 6
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 7
    ロシア艦船用レーダーシステム「ザスロン」に、ウク…
  • 8
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 9
    「股間に顔」BLACKPINKリサ、ノーパンツルックで妖艶…
  • 10
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 3
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 4
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 5
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 6
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 9
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 10
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中