最新記事
古生物学

ティラノサウルス科の初記録も!獣脚類の歯が明かす白亜紀の多様性

Dinosaur Teeth Found by Quarryman Revealed to Be Tyrannosaur's: 'Exciting'

2024年12月9日(月)17時20分
アリストス・ジョージャウ

ベクスヒル=オン=シーで確認されたティラノサウルス科は、この科の代表格であるTレックスと比べると、3分の1程度の大きさだったとみられる。研究者によれば、狩りの対象は小型恐竜や爬虫類だったようだ。

「私たちは何十年も前から、ここで生息していた獣脚類を解明したいと思っていた。そのため、今回の研究結果にはとても興奮している」。論文共著者のダレン・ナイシュはプレスリリースでそう述べた。

「イングランド南部には、白亜紀に恐竜が生息していた証拠が飛び抜けて多く存在している。この一帯に残るさまざまな堆積物の層は、地質年代という点でも、含まれている化石という点でも、世界的に見て独特だ」とナイシュは述べている。

サウサンプトン大学で研究指導教員(スーパーバイザー)は、本誌の取材に対してこう述べた。「世界で初めて科学的に描写された恐竜が、メガロサウルスと名付けられたのは1824年のことだ。それから200年も経つが、いまだに新しい恐竜が見つかっている」

「新種が平均して週に1つ見つかるというペースは落ちていないようだ。実際、今回のような新種がコレクションに加わることで、恐竜の多様性が私たちの予想を上回っていることが明らかになっている」とゴズリングは述べた。

(翻訳:ガリレオ)

【参考文献】
Barker, C. T., Handford, L., Naish, D., Wills, S., Hendrickx, C., Hadland, P., Brockhurst, D., Gostling, N. J. (2024). Theropod dinosaur diversity of the lower English Wealden: analysis of a tooth-based fauna from the Wadhurst Clay Formation (Lower Cretaceous: Valanginian) via phylogenetic, discriminant and machine learning methods. Papers in Palaeontology.

ニューズウィーク日本版 豪ワーホリ残酷物語
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月9日号(9月2日発売)は「豪ワーホリ残酷物語」特集。円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代――オーストラリアで搾取される若者のリアル

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

逮捕475人で大半が韓国籍、米で建設中の現代自工場

ワールド

FRB議長候補、ハセット・ウォーシュ・ウォーラーの

ワールド

アングル:雇用激減するメキシコ国境の町、トランプ関

ビジネス

米国株式市場=小幅安、景気先行き懸念が重し 利下げ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給…
  • 5
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 6
    ロシア航空戦力の脆弱性が浮き彫りに...ウクライナ軍…
  • 7
    「ディズニー映画そのまま...」まさかの動物の友情を…
  • 8
    ハイカーグループに向かってクマ猛ダッシュ、砂塵舞…
  • 9
    金価格が過去最高を更新、「異例の急騰」招いた要因…
  • 10
    今なぜ「腹斜筋」なのか?...ブルース・リーのような…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 5
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 6
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 7
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 8
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 9
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 10
    「見せびらかし...」ベッカム長男夫妻、家族とのヨッ…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 3
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 4
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にす…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中