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なぜ女性用ランニングシューズは健康に悪いのか...「小さくしてピンクにする」の弊害【最新研究】

2025年11月20日(木)13時20分
メリッサ・フルール・アフシャー
ピンクのランニングシューズ

New Africa-shutterstock

<デザイン設計の前提の限界と問題点が新たな研究で明らかに...>

女性用ランニングシューズは、単に男性用モデルを小さくして色を変えるだけで済ませてはならない──英医学誌『BMJ Open Sport & Exercise Medicine』に新たな研究結果が掲載された。

本研究によれば、現在市販されているランニングシューズの多くは、解剖学的・生体力学的にも女性の特性やライフステージの変化を反映できていないとして、研究チームは次のように述べる。


 

「今回の調査で明らかになったのは、ランニングシューズの設計は、男性の身体構造やバイオメカニクス(生体力学)が前提となってきたという重大な問題です。(...)

女性の足に合う靴を開発するには、単にサイズを縮小して色を変えるというアプローチから脱却しなくてはなりません。(...)

女性特有の足の形態や社会構造、そして趣味嗜好に応じた、性差やジェンダーに配慮したデザインが必要です。これらはすべて、生涯を通じて変化していくものでもあります」

ランニングシューズの製造企業は、過去50年にわたって、けがの予防、快適性やパフォーマンス向上の強化を目的に何十億ドルもの資金を投じてきた。

しかし、研究チームによると、そのほとんどが男性アスリートを対象にしたものであり、女性用ランニングシューズの多くは「小さくしてピンクにする(shrink it and pink it)」という安直な手法に頼っており、女性向けのデザイン設計は後回しにされてきたという。

そもそもランニングシューズは、足の形をもとにした3Dの「ラスト(足型)」から設計される。

【参考文献】
Napier, C., Dhillon, G., Wilhelm, A.-C., & Ezzat, A. M. (2025). "If a shoe had been designed from a woman's foot, would I be running without getting the injuries?": Running footwear needs and preferences of recreational and competitive women runners across the lifespan. BMJ Open Sport & Exercise Medicine, 11.

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