最新記事
食中毒

夏の屋台の「定番メニュー」で500人が食中毒...付着していた危険な菌の正体とは?〈注目記事〉

2025年8月31日(日)10時26分
笹井恵里子(ノンフィクション作家、ジャーナリスト)*DIAMOND Onlineからの転載

お弁当ではミニトマトのヘタは必ず取る

最後に、「お弁当作り」が日課であるという管理栄養士の遠藤氏と望月氏に傷ませないコツを聞いた。

「私はミニトマトのヘタを必ず取ります」と遠藤氏。


「ヘタには菌が付きやすいのでお弁当内で繁殖してしまう恐れがあります。ですからお弁当に入れるならヘタを取ってから水道水で洗い、キッチンペーパーなどで拭いてから入れています。市販のお弁当を購入する場合も、ヘタ付きのミニトマトが入っているなら買いません」

遠藤氏は職場に昼食を持参するのに、二段型タイプのお弁当箱を利用。下はご飯、上はおかずと食品をなるべく仕切るように心がけ、お弁当箱を保冷バックに入れて持参しているという。

乾麺で食あたりしたまさかの理由は

望月氏は水分に気をつけている。

「できるだけ水分が出ないような食材を使ったり、市販の抗菌シートを乗せたりしています。保冷剤もビニールタイプですと水滴が出やすいので、この時期は不織タイプの保冷剤を使用しています」

夏に繁殖する細菌は、全般的に「高温多湿」の環境を好む。だからなるべく食材の持ち運びや保存時にそういった状況を作らないことだ。前回の記事で望月氏が「賞味期限切れの乾麺で食あたりした」と記したが、「乾麺の中の油が劣化・酸化していたり、目視で見えないカビがあったり微生物が増殖したことが影響したのかもしれません」と本人は述べている。

食するときの体調でも食中毒の症状が出るかどうかが変わる。もったいない精神は大切だが、暑さでバテ気味のときは特別に意識して新鮮なものをいただきたい。


<重要ポイント!まとめ>

・糖質とタンパク質が両方入る食品は傷みやすい。炊き込み、焼きそば、チャーハンは要注意

・おにぎりやサンドイッチは素手で作らない

・「常温で一晩寝かせたカレー」は大変危ない

・野菜にもセレウス菌、大腸菌が潜む恐れ。家庭では水道水でよく洗うこと

・夏に繁殖する細菌は「高温多湿」の環境を好む


※当記事は「DIAMOND online」からの転載記事です。元記事はこちら
newsweekjp20241210070726-0536f5d9a0b841fadc7a37a3ae2182051cf62ee9.jpg




ニューズウィーク日本版 豪ワーホリ残酷物語
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月9日号(9月2日発売)は「豪ワーホリ残酷物語」特集。円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代――オーストラリアで搾取される若者のリアル

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエル軍、ガザ市住民に避難指示 高層ビル爆撃

ワールド

トランプ氏、「ハマスと踏み込んだ交渉」 人質全員の

ワールド

アングル:欧州の防衛技術産業、退役軍人率いるスター

ワールド

アングル:米法科大学院の志願者増加、背景にトランプ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給…
  • 5
    「ディズニー映画そのまま...」まさかの動物の友情を…
  • 6
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 7
    ロシア航空戦力の脆弱性が浮き彫りに...ウクライナ軍…
  • 8
    金価格が過去最高を更新、「異例の急騰」招いた要因…
  • 9
    ハイカーグループに向かってクマ猛ダッシュ、砂塵舞…
  • 10
    今なぜ「腹斜筋」なのか?...ブルース・リーのような…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 5
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 6
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 7
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 8
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 9
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 10
    「見せびらかし...」ベッカム長男夫妻、家族とのヨッ…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中