最新記事
食中毒

夏の屋台の「定番メニュー」で500人が食中毒...付着していた危険な菌の正体とは?〈注目記事〉

2025年8月31日(日)10時26分
笹井恵里子(ノンフィクション作家、ジャーナリスト)*DIAMOND Onlineからの転載

生で食べる野菜は流水で丁寧に洗うこと

「加熱せず食べる野菜は、流水で丁寧に洗うことがポイントです。また水菜は、冬であれば鍋に入れることで加熱できますが、暑い時期は難しいですよね。それでも麺類に入れるなら一緒にゆでたり、熱湯にさらしたり、あるいは少しレンジにかけて加熱するといいでしょう。グラフではサニーレタスも菌数が多くなっていますね。これもお湯洗いをしてください」(望月氏)

こういった方法で完全防止はできなくても、少し加熱することで死ぬ菌もいるから、菌を「増やさない」ことにつながる。

また、キュウリのイボイボを丁寧に洗ったり、ミニトマトは雑菌が繁殖するヘタを取ってから水道水で洗うことも効果がある。


夏祭りの冷やしキュウリで約500人が食中毒

しかし、夏にお祭りなどのように屋外で加熱せずに食材を提供される場所では、より一層気をつけなければならない。

静岡県の花火大会で2014年、露店で販売された冷やしキュウリを食した約500人が食中毒を発症した。原因は腸管出血性大腸菌O157。報道では、キュウリの洗浄と調理販売者の手洗いが不十分だった可能性が指摘されている。日本臨床栄養協会評議員で管理栄養士の遠藤惠子氏がこう説明する。

「給食など生食の野菜は、殺菌処理をしてから提供する場合がほとんどです。けれども、お祭りなどでは殺菌処理がされないことも少なくなく、菌が繁殖しやすいのです。セレウス菌、大腸菌以外にも、手に傷があったり手荒れをしたりしていると、黄色ブドウ球菌という食中毒原因菌が多く潜んでいる可能性が高いです。

黄色ブドウ球菌が食品中に繁殖すると、熱に強い毒素を作り、吐き気や下痢などの食中毒を起こしてしまいます。ですから、おにぎりを作るときはラップで、サンドイッチは手袋をして作りましょう」

黄色ブドウ球菌は健康な人、普通の手でも20~30%が保菌しているといわれる。特に傷があるときには手袋をして調理をし、おにぎりやサンドイッチを作るときは、健康な人でも素手で触らないことが大切だ。

「またおにぎりの具材は抗菌作用のある梅干しや、塩分が多めの鮭、昆布、もしくは塩むすびがいいと思います。また海苔を巻くと熱でふやけて菌の発生源となるので、食べる直前に巻くといいでしょう」(遠藤氏)

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

高市首相、応援演説で円安メリットに言及 米関税のバ

ワールド

米政府機関の一部が閉鎖、短期間の公算 予算案の下院

ビジネス

中国1月製造業PMIが50割れ、非製造業は22年1

ワールド

トランプ氏、労働統計局長にベテランエコノミスト指名
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵士供給に悩むロシアが行う「外道行為」の実態
  • 4
    日本はすでに世界第4位の移民受け入れ国...実は開放…
  • 5
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 6
    「着てない妻」をSNSに...ベッカム長男の豪遊投稿に…
  • 7
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 8
    日本経済を中国市場から切り離すべきなのか
  • 9
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」…
  • 10
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 6
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 7
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 8
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 9
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 10
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中