コラム

高市早苗&李在明の想定外な「蜜月」は、いつまで続く?

2026年01月31日(土)15時50分
高市

「ドラム交流」で盛り上がった李と高市(1月13日) CABINET PUBLIC AFFAIRS OFFICEーAP/AFLO

<「ドラムパフォーマンス」が象徴する日韓首脳会談の大成功は、双方にとって実利も伴うものだった。ただし、対中・対米関係の難しい舵取りを迫られる両国が、危機ゆえに歩み寄ったのだとすれば、実はそれほどよいニュースでもない>

一体、誰が想像しただろうか。韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が、日本の高市早苗首相と共にドラムをたたいている。両者とも満面に笑みをたたえて、「ノリノリ」の演奏である。

李の大統領就任は昨年6月。「左右を逆にした韓国のトランプ」との異名を持つ進歩派の彼は、大統領選挙以前には、歴史認識問題などに関して日本を手厳しく批判したこともある。


他方、高市の首相就任は昨年10月で、それから3カ月余りしか経過していない。自民党内で保守派の代表的政治家として知られる彼女は、靖国神社参拝を公言。1995年の村山談話には「侵略という文言を入れているのはしっくりきていない」と発言し、物議を醸した過去もある。

だから両者の就任直後、日韓両国は相手国の新しい首脳に警戒の念を見せていた。それぞれ前任者の尹錫悦(ユン・ソンニョル)、石破茂の両首脳が日韓関係の改善に前向きだったこともあり、両国の新首脳就任が関係を悪化させるのではないか、という懸念も強かった。

しかし、結果は大きく異なった。新年早々の首脳会談は「ショー」としてのみならず、内容で大きな成果を残したからだ。

高市は中国との関係を念頭にした経済安全保障やサプライチェーン強化について協力を取り付けたのみならず、北朝鮮に対する完全な非核化の約束も獲得した。

プロフィール

木村幹

1966年大阪府生まれ。神戸大学大学院国際協力研究科教授。また、NPO法人汎太平洋フォーラム理事長。専門は比較政治学、朝鮮半島地域研究。最新刊に『韓国愛憎-激変する隣国と私の30年』。他に『歴史認識はどう語られてきたか』、『平成時代の日韓関係』(共著)、『日韓歴史認識問題とは何か』(読売・吉野作造賞)、『韓国における「権威主義的」体制の成立』(サントリー学芸賞)、『朝鮮/韓国ナショナリズムと「小国」意識』(アジア・太平洋賞)、『高宗・閔妃』など。


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