美容院の「ゴミ」が地球を救う? 欧州発「究極の循環型社会」
繊維産業で毛髪利用を広める計画
オランダのスタートアップ「ヒューマン・マテリアル・ループ」は、カット後の髪の毛で繊維を作り、カーペットなどのインテリア用品や衣料品の原料として活用するプロジェクトを進めている。同社は、ハーグ王立美術学院の講師も務めるCEOのゾフィア・コーラーさんによって、2021年に設立された。
ヒューマン・マテリアル・ループは、毛髪タンパク質(ケラチン)から作られた繊維「ādara™」を開発した。回収された髪の毛は洗浄・殺菌された後、機械で繊維化される。ādara™は、強度と柔軟性において合成繊維に匹敵する。
製造工程が複雑ではないため環境負荷は小さく、地球温暖化への影響は、綿の98分の1、ウールの47分の1に過ぎない。
戦略的な市場選択
コーラーさんがプレゼンテーションで着用していた黄色いベストのように、ādara™100%製の衣類も作ることができるが、ファッション業界はトレンドの変化が早く、製品のリサイクル体制も遅れているため、衣料品向けに特化はしていない。
主として、インテリア製品や商業施設の建築材(防音パネルなど)の領域で広めていきたい。ādara™は100%リサイクル可能で、徹底した資源循環に貢献する。
同社は2023年に、オランダ最南端のリンブルフ州の地域開発機関(LIOF)から助成金を受け、220kgの髪の毛を処理する計画をスタートした。
普段の生活でよく使う物に毛髪が使われていると聞くと、「人間の髪まで使われているのか?」と驚く人は多いだろう。リンゴやパイナップルなどの果物、キノコ(菌糸体)、コーヒーかすなどから作られたエコ素材のように、斬新なアイデアの実用化を目指すことは高く評価したい。
毛髪加工品が本格的に地球温暖化の対策として社会に広く受け入れられるには、「人間の髪を使った製品」への心理的抵抗や、大規模な回収・処理システムの構築など課題も多く、本格普及にはまだ時間がかかりそうだ。それでも、循環型社会の実現に向けて、これまで単なる「ゴミ」だった髪の毛が貴重な「資源」に生まれ変わる取り組みは、持続可能な未来への重要な一歩といえるだろう。
【関連リンク】
コワフュー・ジューステ: https://coiffeurs-justes.com/
スタジオ・サンネ・ヴィッサー: https://sannevisser.com/
ヘアサイクル: https://haircycle.org/
ヒューマン・マテリアル・ループ: https://humanmaterialloop.com/
[執筆者]
岩澤里美
スイス在住ジャーナリスト。上智大学で修士号取得(教育学)後、教育・心理系雑誌の編集に携わる。イギリスの大学院博士課程留学を経て2001年よりチューリヒ(ドイツ語圏)へ。共同通信の通信員として従事したのち、フリーランスで執筆を開始。スイスを中心にヨーロッパ各地での取材も続けている。欧米企業の脱炭素の取り組みについては、専門誌『環境ビジネス』『オルタナ(サステナビリティとSDGsがテーマのビジネス情報誌)』、環境事業を支援する『サーキュラーエコノミードット東京』のサイトにも寄稿。www.satomi-iwasawa.com
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