日本人女性の「更年期症状」が軽いのはなぜか?...専門家が語る「文化と意識」の違い
Expert Shares Why Japanese Women Have Less Severe Menopause Symptoms
日本では、1980年代に「自律神経の乱れ」がKonenki(更年期)の要因として語られていたことについてロック博士は指摘している。
2000年代初頭にメルビー教授が実施した調査では、更年期は「ホルモンバランスの乱れ」とする認識が日本では増加していたという。しかし、西洋でよく語られる「エストロゲン欠乏」の概念は、日本ではさほど浸透していなかったという。
140人の女性に対する週次の血液測定、日々の症状チェックリスト、複数回のインタビューを通じて、「多くの女性が更年期を『新たなバランスを築くための移行期』と考えており、『終わりの始まり』という感覚は持っていなかった」とメルビー教授は結論づけている。
ポジティブな姿勢と症状の軽減
更年期への態度が症状の重さに影響を与える──そうした研究結果もある。
2010年のバレリー・エアーズ博士らの研究レビューは、13件の研究(うち12件が横断研究、1件が縦断研究)を分析。そのうち10件で「否定的な姿勢の女性は、症状が重くなりやすい」との結果が出ている。ただし、うち3件においては有意な結果は出なかった。
「症状が重ければ重いほど、前向きな姿勢を保つことは難しい。それだけに、女性への支援体制をもっと充実させるべきです」とフォスター氏は語る。