最新記事
メンタルヘルス

「隠れ糖分」による「うつ」に要注意...男性が女性よりも気を付けなくてはならない理由とは?

2025年5月11日(日)08時55分
クラウス・ベルンハルト(臨床心理士)

ショックを受けた友人は自分で実験を続け、さらに2週間、甘いもののほかに食品の隠れ砂糖も控えました。そして、この間に観察された変化を注意深く書き留めた結果、非常に驚くべき発見をしたのです。


 

1 最初の3日間は、まさに禁断症状を経験した。機嫌が悪く、いらいらしていた。甘いものが食べたくて仕方ない。だが4日目になるとこれらの症状はすべて跡形もなく消え、そのまま戻らなかった。

2 大幅に体重が減った。糖分を断った他は何もしていなかったにもかかわらず、4週間で6.8㎏も減った。それまでどんなダイエットも失敗に終わっていたので、大いにやる気になった。

3 数日後、眠りが深くなり、朝はさやわかに目が覚めた。

4 慢性的につまっていた鼻がこの数カ月ではじめて通り、鼻スプレーなしで寝ることができた。

5 ほんの数日で味覚が変わった。前よりも味がはっきりわかるようになったので、塩とスパイスを減らした。

6 最も驚くべき変化は、精神状態に関するものだった。4週間の実験期間の最後に、それまでよりもずっと幸せな気分になった。

というわけで、友人は新しい食事療法を続けることにしました。年の終わりには27㎏以上体重が減り、慢性副鼻腔炎も良くなったばかりか、抑うつ症状は二度と現れませんでした。


【参考文献】
(*1) Anika Knüppel, Martin J. Shipley, Clare H. Llewellyn & Eric J. Brunner, Sugar intake from sweet food and beverages, common mental disorder and depression: prospective findings from the Whitehall II study, Scientific Reports volume 7, Article number: 6287 (2017)
(*2) Rahul Agrawal, Fernando Gomez-Pinilla,'Metabolic syndrome'in the brain: deficiency in omega-3 fatty acid exacerbates dysfunctions in insulin receptor signalling and cognition, The Journal of Physiology, 05 April 2012


クラウス・ベルンハルト(Klaus Bernhardt)
臨床心理士。科学・医療ジャーナリストとして活躍後、心理学、精神医学を学ぶ。現在、不安症やパニック発作の専門家として、ベルリンでカウンセリングルームを開設。最新の脳科学に基づいた画期的療法「ベルンハルト・メソッド」はドイツで注目を集めている。脳神経科学教育マネジメント協会(AFNB)会員。前著『敏感すぎるあなたへ 緊張、不安、パニックは自分で断ち切れる』(CEメディアハウス)はドイツで大ベストセラーに。


newsweekjp20250416110400-0bc12e42ce5d42b6d0264c759b261aa19d92b7ee.png

 『落ち込みやすいあなたへ 「うつ」も「燃え尽き症候群」も自分で断ち切れる
  クラウス・ベルンハルト[著) 平野卿子[訳]
  CEメディアハウス[刊]

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

ニューズウィーク日本版 AI兵士の新しい戦争
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年1月13号(1月6日発売)は「AI兵士の新しい戦争」特集。ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

アングル:「高市ラリー」再開か、解散検討報道で思惑

ビジネス

トランプ米大統領、クレジットカード金利に10%の上

ビジネス

関税返還となった場合でも米財務省には十分な資金=ベ

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、米雇用統計予想下回る 円は
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画をネット民冷笑...「本当に痛々しい」
  • 4
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 5
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 6
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 7
    美男美女と話題も「大失敗」との声も...実写版『塔の…
  • 8
    決死の嘘が救ったクリムトの肖像画 ──ナチスの迫害を…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 6
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 7
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 8
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 9
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 10
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中