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なぜ運動で寿命が延びるのか?...ホルミシスと「タンパク質のリサイクル」の仕組み

2025年5月2日(金)08時00分
ニール・バルジライ (アルバート・アインシュタイン医科大学教授)

運動は「AMP活性化プロテインキナーゼ」という酵素を刺激する。これは、細胞のエネルギー状態の恒常性を保ち、脂質代謝を制御する酵素だ。

運動はまた、栄養源を感知するタンパク質mTORをも刺激し、これは寿命には良くない働きをするが、それでも運動のメリットは欠点をはるかに上回る。


 

ホルミシスに加えて、定期的な運動は細胞内のタンパク質をリサイクルする仕組みを刺激する。これは損なわれたタンパク質恒常性、すなわち傷ついたタンパク質の蓄積という老化の特徴に直接効き目がある。

傷のないタンパク質はDNAを修復するが、DNAはいつもダメージを受けているので、この修復はとても重要だ。もし修復されなかったら、がんが発生するかもしれない。傷ついたタンパク質を分解し、それぞれの要素を使って健康なタンパク質を作る自食作用を、運動は効果的に刺激する。


ニール・バルジライ (Nir Barzilai)
1955年生まれ。アルバート・アインシュタイン医科大学教授。同大学老化研究所設立者。ポール・F・グレン老化生物学研究センター、およびアメリカ国立衛生研究所(NIH)ネイサン・ショック・センター加齢基礎生物学部門のディレクターも務めている。専門は内分泌学。100歳を超える長寿家系を調べ、ヒトの長寿遺伝子を世界で初めて発見した。長寿研究の世界的権威として、全米老年問題研究連盟(AFAR)「アーヴィング・S・ライト賞」など数々の賞を受賞している。本書が初の一般書となる。


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