最新記事
健康

体を治癒させる「カーニボア(肉食)ダイエット」とは?...「1日3回の食事などありえない」

2025年4月20日(日)08時30分
デイヴ・アスプリー(起業家、投資家、「ブレットプルーフ」創設者)
肉

RitaE-pixabay

<本来、私たちの体に備わっている、治癒のプロセスを目覚めさせるためには、「消化」より「修復」にエネルギーを注ぐ>

ファスティングはツラいものではなく、やっていて楽しくなるもの。数々のダイエットに挫折してきた著者が、「ファスティング」を再定義。

シリコンバレー式 心と体が整う最強のファスティング(CEメディアハウス)より第4章「長寿のためのファスティング」を一部編集・抜粋。


 
◇ ◇ ◇

食習慣の進化──昔はこうじゃなかった

人間の進化の歴史は食物の歴史でもある。そしてあなたが信じようが信じまいが、それはファスティングの歴史でもある。僕たちの体と脳は生来ファスティングにうってつけなのだ。

これまでに発見された最も古いホモ・サピエンス(ヒト)の化石が、人類の起源がおよそ30万年前であることを示している。そのころは、1日3回の食事などありえないことだった。

祖先たちは食べ物が手に入ったときに食べていた。何しろ、彼らは野生の獲物(*1)──ガゼル、アンテロープ、ヌー、シマウマ、バッファロー、それらが獲れなければ植物も──を追い求め、アフリカの大平原をさすらう狩猟採集生活をしていたのだ。一族で移動し、獲物を探して一度に数マイル歩くこともしばしばだった。

彼らにとっては俊敏さよりも忍耐力や知恵のほうが重要だったが、それは走る速さではもともと動物にかなわないからだ。アンテロープでもガゼルでも、動物を捕まえたときはみんなでごちそうを分け合い、たいていは数日で食べ尽くしてしまった。

食べ物がなくなると、再び狩りをするが、いつもはわずかばかり手に入る毒素の少ない旬の食用植物を食べていた。次の獲物を仕留めるまで、みんなお腹をすかせていたけれど、何日か食べないせいで死ぬことはなかった。

断食──まったく食べない、あるいは植物からほんの少しのカロリーしか摂らない──は祖先たちの生活ではあたりまえのことだった。そうするよりほかなかったからだ。

食べたあとで断食するという習慣は、たかだか数十年、数百年、数千年続いてきたわけではない。人間はこうした生活をおよそ29万年ものあいだ送ってきた。断食生活そのものはそれよりもはるか昔からある。大型肉食動物のほとんどが、そうやって生きているのだ。

編集部よりお知らせ
ニュースの「その先」を、あなたに...ニューズウィーク日本版、noteで定期購読を開始
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:米保守派カーク氏殺害の疑い ユタ州在住の

ワールド

米トランプ政権、子ども死亡25例を「新型コロナワク

ワールド

アングル:ロシア社会に迫る大量の帰還兵問題、政治不

ワールド

カーク氏射殺、22歳容疑者を拘束 弾薬に「ファシス
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 2
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    「AIで十分」事務職が減少...日本企業に人材採用抑制…
  • 9
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「火山が多い国」はどこ?
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 6
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 4
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 5
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中