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間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】

Replace Snacks With These Nuts, Say Scientists

2025年4月13日(日)08時15分
ルーシー・ノタラントニオ

また、食事全体の質はピーカンナッツの非摂取グループに比べて17%向上。これはピーカンナッツを食事に取り入れることで、心臓の健康だけでなく、より良い食習慣の維持にもつながっている可能性があると研究チームは指摘している。

ピーカンナッツにはポリフェノールが含まれており、炎症を抑えることで血管の健康を保つ作用が期待される。今回の研究では血管の直接的な改善は見られなかったものの、ピーカンナッツや果物、野菜、全粒穀物など、ポリフェノールが豊富な食品の摂取を研究チームは推奨している。


 

本研究の共同執筆者でペンシルベニア州立大学栄養科学部のクリスティーナ・ピーターセン准教授は次のように語る。

「おやつをピーカンナッツに置き換えることで、心疾患の主要なリスク因子である血中のコレステロール値や食事の質が改善されました。今回の研究結果は、ナッツ類の心血管への好影響を示す豊富なエビデンスに新たな知見を加えるものであり、成人が日常的にナッツを取り入れる方法のヒントにもなります」

本研究では、栄養価の高い食品であるピーカンナッツを摂取したグループが、総コレステロール、「悪玉」とされるLDLコレステロール、中性脂肪の数値が有意に低い結果が示されたが、LDL(悪玉)コレステロールは動脈を詰まらせ、心臓発作や脳卒中のリスクを高める。

他方、HDL(善玉)コレステロールは体内の余分なコレステロールを排出する働きを有するため、コレステロールの値とバランス改善は、心疾患リスクの低下につながる。

ピーカンナッツはカルシウム、亜鉛、マグネシウム、鉄分などを豊富に含み、ナッツ類の中で最も高い抗酸化力を有している。

全米有数の医療機関であるクリーブランドの大学病院によると、ピーカンナッツは免疫機能の維持、がんや心疾患のリスク低下、さらには抜け毛の予防にも役立つ可能性があるという。

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