冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起こす人喰いの連鎖
落語に描かれた「襲われた経緯」
一方で三遊亭圓朝の戯曲『椿説蝦夷訛(ちんせつえぞなまり)』にも、この事件に触れた一説がある。落語なので創作もあるだろうが、襲われた経緯がかなり詳細に描かれている。
それから一日おいて十七日の晩のことでございます。倉吉は酒を飲んで囲炉裏のこっち側に子供を抱いて寝ております。向こうに丸竹を並べた縁の様なものがあって、ちょっと庭形になっている。
裏手にある二畳の小間にお嘉代が寝ておりますと、かれこれ夜の三時頃、風もないのに庭口の雨戸がバタリと外れたから、目ざといお仙が眼を覚まして頭を上げて見ると、燈火は消えておりますが囲炉裏にトロトロ燃えている燃えさしの火影と差し込む雪明かりに透かして見ると、こはそも如何に、仔牛ほどもあろうと思う大熊がノソリノソリと這入って来ましたから、お仙は驚いたの驚かないではありません。
思わず知らず大きな声をあげて、 仙「アレ倉吉さん、熊が来たヨー熊が来たヨー」と一生懸命に怒鳴ったけれども、倉吉は酒の機嫌でグッスリ寝込んだのですから眼が覚めません。お仙は気を揉んでアレエアレエと叫ぶうちに、熊は平気でノソリノソリッと倉吉の寝ている方へ参りまして、子を獲られた恨みを返すつもりでしょう。平掌をもって寝ている倉吉の頭をピシャーリッと打つと、大力なものですから倉吉の頭はひしゃげて、ただ一打ちでウンとも言わず息が絶えてしまいました。
「子を獲られた恨み」というのは、事件の数日前に倉吉が山鼻村のクマ穴で子熊を射止めたことになっているからである。しかし後述するように、実際の加害熊はオスの成獣なので、このくだりは圓朝の創作だろう。また文中に出てくる「お嘉代」とは、倉吉と妻女お仙が仕えていた武家にゆかりのある名家の娘で、訳あって倉吉宅に居候していた。
妻女は夢中で戸外へ逃げ出し、川向かいの石沢定吉宅に助けを求めた。

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