実話とは思えない...水深91mの海底からの救出劇『ラスト・ブレス』が描く「絶対に諦めない男」の狂気
In at the Deep End
本作は1人の男のサバイバルストーリーであると同時に、彼の救出を決して諦めなかった潜水士たちのチームワークと忍耐力の物語でもある。
彼らの仲間意識と信頼感は、コールとリウの絆にも及んだ。「シムみたいな相手と共演すると、あまりためらわずにやれるのがいい。お互いに支え合えた」とコールは言う。
「『シムがやっているから、やらなきゃ』みたいなことは全くなかった。一緒に考え、同じ経験をして、お互い助け合って......一緒に乗り切った。それがこの物語の神髄だったと思う。撮影中だけでなく撮影の合間もね。よくいろんな組み合わせでパデル(テニスとスカッシュを組み合わせたスポーツ)もやった。それもチームワークを育むのに役立った」
それはリウも同じで、水中でも落ち着いていられたのはコールがそばにいたからだという。「フィンの側に少しでもためらいがあったら、僕もそれを感じ取って頭の中で膨れ上がらせてしまっただろう。でも実際は2人とも『よし、やろう』という感じで、少しも不安にならなかった」
クリスは既に死んでいるという考えをダンカンが完全に排除するまでのくだりは、特に感動的だ。「奇跡と言っていい出来事だった」とハレルソンは語った。