伝説的バンドKISSのジーン・シモンズ...75歳の彼の意外なセカンドキャリア
A Man of Many Talents

「仕事を愛せよ」という考えはバカげていると一蹴するシモンズ MATT WINKELMEYER/GETTY IMAGES FOR THE MICHAELS COMPANIES
<奇抜な衣装と派手なパフォーマンスでアメリカンドリームを掴んだシモンズ。今もなお様々なことに挑戦し続ける彼が進み続ける「わが道」とは>
伝説のロックバンド「KISS」(キッス)では最後まで悪魔キャラを演じ通したジーン・シモンズ(75)。今の彼には実業家や文筆家としての顔もあるのだが、どれが素顔かは不明。ただ「わが道を行く」姿勢だけは一貫している。今回の取材中も、「アンチのコメントが届くのを楽しみにしてるよ。正直、クソ食らえって感じだ」と笑って言ってのけた。
幼少期にイスラエルからアメリカに移住したシモンズだが、プライベートの服装や話し方のロールモデルはニュースキャスターだったという。「いい服を着て誰からも尊敬される人物。自分もそうなりたかった。その辺の人と同じに見られたくはなかった。親分っぽい服を着て、羽振りのいい人たちと過ごし、もっと上を目指すぞって感じで」
仕事についての考えをシモンズはこう語る。「好きな仕事ができている人はほんの一握り。ほとんどの人が仕事に行く理由はただ一つ、金を稼ぐためだ。『仕事を愛せよ』なんて考えは、まあ狂気だな」。この一徹かつ独断的な姿勢は家族に対する厳しさにも表れている。「第1は親切であれ。そして健康に悪い習慣は全て禁止だ」
【動画】KISSの代表曲の1つ、Rock And Roll All Nite
シモンズは、自身の成功や考え方は自らつかんだアメリカンドリームのおかげだと語る。「この国で生きることを許してくれたアメリカに感謝している。アメリカは私に、想像をはるかに超える富と恩恵を与えてくれたから」
そんな元悪魔に本誌マーク・ジョセフが話を聞いた。