韓国人は「極端」で「強烈」?...韓流エンタメ旋風の理由はここにあり、世界中で検索される「45.6」の意味とは?

WHY IS “SQUID GAME” SO POPULAR?

2025年7月9日(水)17時28分
ジョーダン・ホフマン(映画評論家)

ストーリーが進むにつれて参加者は同盟を結び、ヒーローや悪役が現れる。衝撃的などんでん返しや息をのむ恐怖の瞬間、そして命を懸けた選択や、善悪の境界を揺さぶるようなジレンマが次々に押し寄せる。

やがて、この悪魔のシナリオを仕組んだ黒幕は誰かが明らかになる。さらに、他者が苦しむ様子を眺めてカネを賭けて楽しむために各国から集まった「VIP」と呼ばれる倒錯者のグループの正体も見えてくる。


大半のテレビドラマと違って、『イカゲーム』シリーズは映画監督らしいこだわりを感じさせる。全エピソードの脚本と演出を手がけたのは、ファン・ドンヒョク(황동혁)。

主人公と同じくソウル市内で労働者階級が多く住む双門洞で生まれ育ち、シーズン1の悪役キャラと同じくソウル大学の出身だ。南カリフォルニア大学で映画制作を学び、短編映画で一定の評価を得たが、多額の借金を抱えていた。

その当時、彼が読んでいたのは漫画版の『バトル・ロワイアル』(日本の漫画で、後に映画化された)。中学生たちが催眠ガスで眠らされ、孤島に連れて行かれて互いに殺し合いをするという物語だ。

映画『バトル・ロワイアル』予告編


この作品に着想を得たファンは、『イカゲーム』を長編映画の脚本として書き上げたが、資金調達は難航。そのため、ヒット狙いの映画を何本か撮った。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

仏首相への不信任案否決、年金改革凍結で政権維持

ビジネス

BMWの供給網、中国系半導体ネクスペリア巡る動きで

ワールド

中国の大豆調達に遅れ、ブラジル産高騰で 備蓄放出も

ビジネス

円債2300億円積み増しへ、金利上昇で年度5550
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 2
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道されない、被害の状況と実態
  • 3
    「欧州最大の企業」がデンマークで生まれたワケ...奇跡の成長をもたらしたフレキシキュリティーとは
  • 4
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 5
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 6
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 7
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 8
    【クイズ】アメリカで最も「死亡者」が多く、「給与…
  • 9
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 10
    間取り図に「謎の空間」...封印されたスペースの正体…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 9
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中