【TWICE、Stray Kids他インタビュー】「まだ完全に理解されているわけではない」...世界を席巻した、Kポップはどこに向かうのか?

WHATʼS NEXT FOR K-POP?

2023年12月15日(金)12時35分
タッシア・アシス(フリーランスライター)

ワンダーキッド AIは簡単な下調べに使えるし、創作のツールとして今後どう進化するのか楽しみだ。

今のところ、そこまで大きな影響はない。クリエーターも大衆も芸術に埋め込まれた「潜在意識のメッセージ」を読み取るのが大好きだが、AIの創作物に「潜在意識」はない。

上辺はよく出来ていても、私たちは一瞬でそうした欠落に気付く。ロボット相手の恋愛と同じで、いつかは可能になるかもしれないが、それはずっと先の話だ。

JAKOPS AIは音楽業界におけるパラダイムシフトの象徴だ。メロディーを作ったり歌詞を書いたりするだけでなく、トレンドを読み、データ分析に基づいて創作の方向性に影響を与えることもできる。さまざまなプラットフォームを通じて一人一人にカスタマイズした体験を提供するなど、アーティストとファンの関係も刷新するかもしれない。

AIの出現は人間性、独創性、創造性をいっそう際立たせる機会を与えてくれると、私は思う。AIの可能性を生かしつつ人間的な要素を維持するにはどうしたらいいか、そのバランスを取るのが課題だ。

──全てのグループが世界で空前の大ブレイクを果たせるわけではないが、TWICEがロサンゼルスのSoFiスタジアムをガールズグループとして初めてソールドアウトにするなど、Kポップのアーティストは着実に海外で成功を収めている。音楽グループにとって、グローバルな成功を求めるのは必須なのか。

バンダーウィース 私は世界進出に大賛成。誰もがそうした資金に恵まれるわけではないが、アーティストに成功の見込みがありレコード会社にバックアップする資金力があるなら、絶対トライすべき。ATEEZ(エイティーズ)など、韓国国内より海外のほうがファンの多いグループもある。

マッキノン 世界進出はビジネスにとって大事なことだと思う。パン・シヒョクが言ったように「Kポップは思われているほど市場で熱い存在ではない」という考え方もあるし、推しのアイドルの世界進出を望まないファンがいることも知っている。

それでも個人的には、Kポップグループのグローバル化は音楽業界全体の利益になると考えている。

JAKOPS XGは韓国で活動を開始したが、彼女たちの音楽はKポップではなく「Xポップ」と呼んでいる。特定の国の音楽を表現するにとどまらず、世界中の人に共有される音楽やパフォーマンスを展開していきたいという野心が込められているんだ。

ロドリゲス 今やKポップはグローバルなジャンルだ。世界中にファンがいるし、SMエンターテインメント傘下のアーティストは本当の意味でグローバルな域に達している。

世界に需要があるとなれば、アーティストとしては当然、できるだけ多くの人の心をつかみたいだろう。これだけいろいろプラットフォームがあればクリック1つで数百万人にアピールできるし、その気になれば世界中のファンにリアルで会える。

ビジネス
栄養価の高い「どじょう」を休耕田で養殖し、来たるべき日本の食糧危機に立ち向かう
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ政権、予算教書を公表 国防以外で1630億

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、堅調な雇用統計受け下げ幅縮

ワールド

トランプ氏誕生日に軍事パレード、6月14日 陸軍2

ワールド

トランプ氏、ハーバード大の免税資格剥奪を再表明 民
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 2
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 3
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単に作れる...カギを握る「2時間」の使い方
  • 4
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 5
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 6
    宇宙からしか見えない日食、NASAの観測衛星が撮影に…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    金を爆買いする中国のアメリカ離れ
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中