<大ヒットミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』の映画版にも主演した若手俳優ベン・プラットの素顔>

友達のいない孤独な若者が、善意でついた嘘がきっかけで同級生や親たちを巻き込んで思いがけないドラマが展開する......。でのやりとりも取り入れた、いかにも現代的なミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』は幅広い層の共感を呼び、ブロードウェイで大ヒットした。

舞台版で主人公のエヴァンを演じ、トニー賞主演男優賞に輝いたベン・プラットは同題の映画(日本公開は11月26日)でも主役を演じたが、映画化には当初不安があったと言う。舞台で「パワフルに、ガツンと心に響くように演じた物語」を映画の形でうまく届けられるだろうか......。

そんな心配は杞憂だった。人物の微妙な表情の変化も見て取れる映画では、舞台以上に「観客はエヴァンの内面に入り込みやすくなった」と、プラットは言う。

エヴァンには誰でも感情移入できると、彼はみる。「誰でもふとしたことがきっかけで自分には居場所がない、人とつながれないと感じるものだから」

映画について、そして最新アルバムについて、本誌のH・アラン・スコットが話を聞いた。

――人気ミュージカルの映画版に出ることにためらいは?

あった。素晴らしい作品だし、やりがいもあったが、演じるのはかなりハードだったからね。感情的にも肉体的にも。でも映画になれば、もっと多くの人に見てもらえる。そのワクワク感のほうが大きかった。

――キャストも豪華だ。特に同級生の母親役のエイミー・アダムスとエヴァンの母親役のジュリアン・ムーア。彼女たちと共演してどうだった?

すごくいい経験になった。2人とも心から仕事を愛し、楽しんでいた。僕も何かをつくる仕事を長く続けていきたいから大いに刺激を受けた。

――この作品にはメンタルヘルスや不安についてのせりふも多いが、歌にすればセンシティブな問題を扱いやすい?

この作品に限らずミュージカルでは、扱いにくいことや耐え難いこと、心が痛くなるような事柄に光を当てたり、掘り下げたりできる。(歌にすることで)そうした問題も抵抗なく受け入れられ、すんなり観客の心に入っていく。

――アメリカで8月にリリースされたアルバム『レバリー』に託した思いは?

大きなテーマが2つある。コロナ禍の最中に一番強く感じた事柄だ。1つはパートナーの(俳優の)ノア(・ガルビン)に恋したこと。もう1つは実家に戻って子供の頃の自分の部屋で暮らすようになったこと。昔の自分に再会したような体験だった。

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