ウクライナ住民、米ロ首脳会談控え警戒心

15日に米アラスカ州で開かれる米ロ首脳会談を前に、ウクライナの人々はトランプ米大統領がロシアとの合意を急ぎ、ウクライナに不利な結果となるのではないかと警戒して見守っている。キーウで11日撮影(2025年 ロイター/Gleb Garanich)
[キーウ 15日 ロイター] - 15日に米アラスカ州で開かれる米ロ首脳会談を前に、ウクライナの人々はトランプ米大統領がロシアとの合意を急ぎ、ウクライナに不利な結果となるのではないかと警戒して見守っている。
キーウ国際社会学研究所(KIIS)の世論調査によると、ウクライナ住民は圧倒的に交渉による戦闘終結を望んでいるものの、壊滅的な譲歩を伴う停戦には反対する姿勢を示している。
キーウ中心部でロイターが取材した数人のウクライナ住民は、首脳会談について楽観視していないと話した。一部はウクライナの利益が考慮されないことを懸念していると語った。
47歳の会計士は「トランプ氏を信用していない。今日はこう言い、明日は違うことを言う。明後日は別のことを、5日後にはまた別のことを言う。信頼できない」と述べた。
清掃員(65)は首脳会談後も戦闘が続くと予想した。会談で「良いことは起こらない。戦争は戦争で、終わらない。領土は誰にも渡さない」と述べた。
トランプ氏は戦争を終結させるための取引には双方が領土を巡って譲歩する必要があると主張し、今回の会談後にロシアのプーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の会談を望むと述べている。
技術者(26)は会談後も変化はほとんどないとし「前向きな結果にはならないだろう」と言及した。
退役軍人(31)は「プーチン氏とトランプ氏が合意に達しても私たちの利益になる内容とはならない」とし、「私たちは最後まで権利を守り抜く」と強調した。