最新記事

韓国ネチズン、黒歴史復活に戦々恐々? レトロブームで往年のSNSサイワールドが復活へ

韓国版mixi? 韓国の往年の人気SNSサイワールドが復活する JTBC News / YouTube

<メッセージや写真を投稿したSNSがサービス終了。よくある話題だが、そんな忘れていた過去の自分がまた蘇るとしたら?>

韓国ではここ数年「ニュートロ」と呼ばれる空前のレトロブームである。新しい(ニュー)+レトロでニュートロと呼ばれているが、この流行は韓国ドラマの題材からK-POPの音楽、さらにはファッションやデザインなどまで幅広い分野で反映されている。

そんなニュートロブームが、次に吹き荒れるであろうジャンルとして注目を集めているのが、レトロ「WEBサイト」の復活である。

ネット黎明期に大ブームとなったサイワールド

2000年代に韓国で青春を過ごした人なら、きっと懐かしく感じるであろう「サイワールド」。1999年9月に開始された韓国発のSNSであり、特徴としてはユーザーが自分好みにカスタマイズできるミニホームページであるという点だ。カメラ付きのガラケーやデジタルカメラが普及し始めた2003年前後には大ブームとなり3200万人が加入していたといわれている。

登録すると「ミニホームページ」と呼ばれるページが与えられる。このページを自分仕様に見た目から、バックで流れるミュージック、アバターの部屋などを好きなように変えられる。もちろん、カテゴリーも写真、文章、日記、掲示板など様ざまで、今でいうインスタグラムのように写真だけ投稿したり、ブログとして使いたいので文章だけ載せたり、欲張りに全部!など自分の目的に合わせてカスタマイズできるのも魅力だった。

見た目を変えたり、曲を購入するには課金が必要だった。筆者が通っていたソウル芸術大学のある教授が、実はこのサイワールドプロジェクトの一人だったらしく「課金の際、(韓国のお金の単位である)ウォンよりも、違う単位にした方が直接的じゃなくていいと思った」と、課金の単位を「ドトリ(どんぐり)」にした秘話を授業中に語ってくれた思い出がある。この頃、友達との間では、このどんぐりを送りあうことが大流行していた。

スマホの普及に取り残されて

しかし、サイワールドブームも2012年前後から徐々に廃れていき、2020年には完全にサービスを終了してしまった。スマートフォンが一気に普及していくなかで、サイワールドがスマホに対応していなかったこと。そして、その間にユーザーの多くがフェイスブックに乗り換えてしまったことが原因とされている。携帯電話がまさかここまでスマホに取って代わってしまうと思わなかったのだろう。

スマートフォンの普及で閉鎖に追い込まれた韓国のレトロWEBサイトといえば「バディバディ」もその一つだ。これは、公式会員が最大時で4200万人を誇っていたというパソコン用メッセンジャーサービスで、ゲームや音楽ダウンロードも可能だった。

しかし、音楽ダウンロードもゲームもスマートフォンでできるようになると、わざわざパソコンで行う必要がなくなり、2012年5月にサービス終了してしまった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ウクライナ首脳が電話会談、ゼレンスキー氏「防空強

ワールド

キーウに大規模攻撃、1人死亡・23人負傷 ポーラン

ワールド

イスラエルがガザ空爆、20人死亡 米は停戦案へのハ

ビジネス

訂正(3日付記事)-ユーロ圏インフレリスク、下向き
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 3
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 4
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 5
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 8
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 9
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 10
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とん…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中