最新記事

エンターテインメント

韓国発の超大作『キングダム』、台湾・香港版タイトルが韓国で炎上 新型コロナウイルスもあって問題化

2020年3月31日(火)21時01分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

Netflix側はタイトルを変更したものの、早めにプロモーションを開始した台湾メディアでは今も『李屍朝鮮』という名称が残っている『キングダム』 MTV 我愛偶像 Idols of Asia / YouTube

<ネット配信サービスで、世界同時に新作が公開されるような時代になって、タイトルの付け方をめぐるトラブルも>

コロナ感染拡大による世界規模での"引きこもりライフ"が始まり、動画配信サービスの需要が一気に高まりを見せている。特に、Netflixには「Netflix Party」という離れた友達と同時タイミングで動画を再生できるGoogle Chrome向けプラグインがサードパーティーからリリースされ、映画館に行けない人々の不満を解消してくれているようだ。

Netflixに数あるコンテンツの中で、韓国ドラマは多くの作品が世界配信されるほど人気があるジャンルだが、その中でも注目を集めているオリジナルドラマ『キングダム』のタイトルを巡って波紋が広がっている。

『キングダム』は、2019年1月に配信がスタートしたNetflixのオリジナルドラマだ。日本に同名のコミックや映画が存在するがまったくの別物で、韓国の時代劇でありながらゾンビを扱った異色ドラマで、配信前から注目されていた。

制作費1話1億円の超大作

Netflixのドラマといえば、その製作費が毎回ニュースに取り上げられるほど高額で有名だ。山田孝之がAV監督村西とおるの半生を演じた『全裸監督』も、1話1億円の高額制作費が話題となった。しかし、この『キングダム』の製作費は、なんとその2倍の1話2億円だという。日本国内のドラマで最も制作費をかけていると言われるNHK大河ドラマでさえ1話5000万円から7000万円程度なので、その規模の違いがおわかりいただけるだろう。

2019年に配信されたシーズン1では、ニューヨークタイムズ紙が選ぶ「2019年インターナショナルTVショーベスト10」に選ばれるほど評判となり、今月13日には満を持してシーズン2の配信が始まった。

もともとアメリカではゾンビ映画が好まれる傾向にあるが、既にそのレパートリーは出尽くし、ネタ切れしていたところにアジアの時代劇×ゾンビが登場したことで高い評価を得たようだ。

また、最近では新型コロナウイルス対策で自宅謹慎が始まると、感染病を扱った作品が注目を集めだした。『アウトブレイク』や『パンデミック〜知られざるインフルエンザの脅威〜』などの視聴数が増える中、『キングダム』も疫病が広まるようにゾンビたちが増殖していくことから、ネットを中心に口コミで人気が上昇している。

そんな順風満帆なドラマ『キングダム』がったが、シーズン2の配信が始まる直前からある問題が浮上した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米小売業の求人、10月は前年比16%減 年末商戦の

ワールド

ウクライナ・エネ相が辞任、司法相は職務停止 大規模

ワールド

ウクライナ・エネ相が辞任、司法相は職務停止 大規模

ビジネス

米NEC委員長「経済対策に向け議会と協力」、財政調
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 2
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編をディズニーが中止に、5000人超の「怒りの署名活動」に発展
  • 3
    炎天下や寒空の下で何時間も立ちっぱなし......労働力を無駄遣いする不思議の国ニッポン
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 6
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 7
    ついに開館した「大エジプト博物館」の展示内容とは…
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 10
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中