最新記事

トレンド

夜よりハジける 健康「朝活」パーティー

出勤前に踊って踊りまくれランニングはもう古い? 新しい朝の過ごし方

2015年8月10日(月)17時30分
アレクサンドル・ゴルバチョフ

ダイブ! アルコールがなくても朝からハイテンションになれる Photo courtesy of Sara Wass and linked to her site (sarawass.format.com)

 水曜日、午前6時45分。マンハッタンの西側にあるハイラインパークの高架下で100人ほどがマットに横たわり、右足を真っすぐ上に伸ばしている。ニューエイジ風の音楽が流れ、マイクを付けたヨガのインストラクターが人々の間を歩きながら次のポーズを指示する。

 7時を回り、参加者がグラノーラバーをかじり、冷たいコーヒーやココナツウオーターをすすっていると、人気DJのスカムフロッグがステージに登場した。エネルギッシュでソウルフルなハウスミュージックが場を盛り上げる。

 次第に人が増え、いつの間にか500人近い不思議な集団ができていた。スエットパンツの人、ボタンダウンのシャツを着ている人、パーティーっぽい格好の人。ダンスが始まり、手拍子が湧き起こる。5人組のブラスバンドが登場すると、会場は熱狂に包まれた。

 これがニューヨークの朝活イベント「デイブレーカー」だ。早朝からヨガをして、ダンスを踊り、仕事へと向かう。

 イベントは数週間に1回、公園やカフェの地下フロアなどで開催される。場所は「シークレット」で、数日前にメールが届く。超健康的な朝食が提供され、アルコールはNG。全米はもちろん、ヨーロッパ、中東、アジアにも広まっている。

合言葉は「ポジティブ」

 似たような朝活イベントは各地で人気を集めている。ロンドンから始まった「モーニング・グローリービル」は6時半~10時半の早朝音楽フェス。ヨガ教室や無料マッサージが付く場合も多く、カナダやオーストラリア、東京など、世界16の都市で開催されている。

 デイブレーカーの発起人は2人の若い起業家だ。子供の栄養教育を手掛けるラドハ・アグラワル(36)と、起業スキルの学校の共同設立者マシュー・ブライマー(28)が、13年12月にニューヨークで最初のイベントを開催した。

 きっかけは、彼ら自身がニューヨークのナイトライフに不満だったことだ。「暗くて、排他的で、ネガティブな感覚が強かった」と、ブライマーは言う。「ネガティブな要素を排除して、元気が出る経験をつくろうと思った。朝は退屈で習慣が決まっているから、それを壊して特別なものをつくりたい」

 ヨガ、オーガニックな飲み物、アグラワルとブライマーが15分間に「ポジティブ」「健康的」と言った回数──。21世紀のヒッピーを想像するかもしれないが、ハイラインパークのイベントは善くも悪くも違った。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、日鉄とUSスチールの「パートナー

ワールド

マスク氏、政府職を離れても「トランプ氏の側近」 退

ビジネス

米国株式市場=S&P500ほぼ横ばい、月間では23

ワールド

トランプ氏の核施設破壊発言、「レッドライン越え」=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プーチンに、米共和党幹部やMAGA派にも対ロ強硬論が台頭
  • 3
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言ってがっかりした」
  • 4
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 5
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多い国はどこ?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 6
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 9
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中