最新記事

株の基礎知識

いま知っておきたいウォーレン・バフェット流投資、銘柄選びの6つの基準は?

2023年2月22日(水)11時45分
朋川雅紀 ※かぶまどより転載

●多額の負債を抱えていない

多額の負債を抱えた余裕資金のない企業が不測事態に遭遇すると、自力で解決するのは難しくなります。

●ROEが十分高い

ROE(株主資本利益率)が高い高い企業ほど、株主に対して大きな富を創造しています。

●自社株買いができる

自社株の買い戻しは残った株主の将来の取り分を高めることになり、それを反映して株価は上昇します。

●インフレを価格に転嫁できる

コモディティ型企業の問題は、人件費や原材料費が上昇しても、過当競争の圧力にさらされてむしろ製品価格の引き下げに追い込まれる可能性があることです。それに対して消費者独占型企業の場合、インフレに合わせて製品の値上げをしても、それに伴う需要の減退を心配する必要がありません。

バフェット流の買い時

一般投資家は好材料が出ると買い、悪材料が出ると売るものです。しかし、割安な水準で買いたいのであれば、じっと悪材料を待つべきなのです。市場の誰もその銘柄に見向きしなくなったときこそ、投資を決断するチャンスです。

主に、次の4つの場面が株の買い時になり得ます。

●株式市場全体の水準訂正や暴落

株式市場が暴落するときは、個別企業の業績見通しとは無関係にほとんど全ての銘柄が下げます。とりわけ、相場の暴落と個別企業の悪材料が重なったときこそ、絶好の買い場になります。

●景気後退

不況になるとほとんどの企業の業績が悪化しますが、強い企業の立ち直りは早く、弱い企業は淘汰されてしまいます。保守的な財務政策を取り、不況に入る前に業績の良かった企業を選びます。

●個別企業の特殊要因

優良企業といえども愚かな行動に走り、大きな損失を出すことがあります。そうした場面では、株価は売り叩かれるものです。一時的な問題であれば、そこが絶好の買い場になります。

●企業の構造変化

合併、リストラ、組織再編などによって一時的な特別損失が発生し、株価に悪影響を及ぼすことがあります。それによって、絶好の投資機会が訪れます。一つの事業部門をスピンオフによって分離することが、株価にプラスの影響を及ぼすこともあります。

バフェット流の原則

改めて、どういう企業(ビジネス)に投資すればいいのかを整理すると、次のようになります。

・シンプルで理解できる事業
・安定した事業実績
・長期的に明るい見通し

まず、自分が理解できる範囲で投資をします。あまりに複雑なビジネスには手を出してはいけません。

また、着実に実績を積んできた企業はある程度、信頼できます。難しい局面を迎えている企業を安く買うよりも、好調な企業を適切な価格で買うほうが、大きな利益を得る可能性が高くなります。

そして、社会で必要とされ、望まれる存在であること。その企業の代わりになるものを簡単に見つけられず、政府の規制がない分野にいることなどが重要です。

(参考記事)カリスマ投資家に学ぶ「勝てる投資」(2)ピーター・リンチの投資手法

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECBは「良好な位置」、物価動向に警戒は必要=理事

ビジネス

米製造業PMI、11月は51.9に低下 4カ月ぶり

ビジネス

AI関連株高、ITバブル再来とみなさず =ジェファ

ワールド

プーチン氏、米国のウクライナ和平案を受領 「平和実
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体制で世界の海洋秩序を塗り替えられる?
  • 4
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 7
    ロシアのウクライナ侵攻、「地球規模の被害」を生ん…
  • 8
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中