最新記事

勉強

「頭の切れる人」とそれほどでもない人の決定的な差 いきなり考えても決してうまくいかない理由

2021年4月10日(土)11時30分
柳川範之(東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授) *東洋経済オンラインからの転載

このように、1つのニュースや情報に接したときに、どの側面に着目するかは、人によってそれぞれですし、これにも、どの側面が正解というものはありません。ただし、多様な側面に注目するクセをつけることは、よりいい考え方を身につけていくうえで重要なことでしょう。人とは違う考え方をして、新しい方向性を打ち出すには、やはり人とは違う着眼点をもつことは大事なことだからです。

一見異なるように見えるものでも

〈考える土台をつくる頭の使い方②〉
共通点を探す

情報を抽象化していく、次の大切なステップは、一見異なるように見えるものから、共通点を探し出すクセをつけることです。ベストは、幹の部分について、どこか共通な点がないか探し出せるようになることでしょう。

しかし、最初はなかなか難しいので、共通点は何でもかまいません。例えば、今食べている料理と今使っているカバン、どちらも赤色が使われている、というように何でもいいから共通点を探すクセをつける。そうすることによって、やがて重要なことについても、共通点を取り出せるようになってきます。これが情報を抽象化してまとめておく大切な一歩になります。

これがある程度できてくると、みかんとりんごは違ったものに見えるけれど、果物という点では共通していると整理できるように、そもそもまったく違うように見える情報でも、この点では共通点があると整理できるようになります。これは、情報を抽象化する大きな一歩です。

そして、共通点でつなげられるようになると、異なったジャンルの情報から解決策を得たり、違う分野の情報を例え話に使って説明できるようになったりします。さきほど「考える」というプロセスを「調理」に例えて説明しましたが、これは両者に共通点を見つけているからです。

この能力は頭の良しあしと関係がありません。この頭の使い方がうまい人で、よく見かけるのが、すべての問題を自分の身近な話に置き換えてしゃべる人です。世の中のニュースを見て、すべて自分の近所の話に置き換えてしゃべるような人が、どなたの身近にも1人くらいはいることでしょう。逆にこうしたことを常日頃から意識してみるのも、いいトレーニングになります。

逆にそのような例えを考えること自体が、共通点を探すトレーニングになるという面もあります。料理の話をビジネスに例えたり、人間関係の話に例えてみたりすることで、違うように見えるものに、思わぬ共通点が見つけ出せる場合もあります。

普段から、まったく別に見えるような2つの話題をもとにして、さまざまな共通点を探す練習をしていくと、例えば、芸能の話題から金融のアイデアが出てきたり、逆に金融の話から料理のアイデアが出てきたり、意外な意見や斬新なアイデアを思いつけるようになってくるでしょう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米政府、輸送中のイラン産原油売却を容認 30日間の

ワールド

米、イラン戦争の目標達成に近づく=トランプ氏

ワールド

イラク、外国企業運営の油田で不可抗力宣言 ホルムズ

ワールド

英、米軍による基地使用承認 ホルムズ海峡攻撃巡り 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 2
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラリアの「NVES規制」をトヨタが切り抜けられた理由
  • 3
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 4
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 5
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「嘘でしょ!」空港で「まさかの持ち物」を武器と勘…
  • 9
    将来のアルツハイマー病を予言する「4種の先行疾患」…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 6
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中