最新記事

株の基礎知識

株式投資で「必ずやらなければいけない」本当に大切なこと

2020年8月17日(月)18時15分
岡田禎子 ※株の窓口より転載

まず、100株すべてを900円で売却したら、手元に9万円が残ります。では、そのお金を別の株の投資にあててみましょう。例えば、株価900円のM社株を100株購入します。その株が10%上昇すれば、資金は9.9万円になります。元の10万円に近いところまで資金を戻せました。

一方で、株価が500円になるまで売る決心をできなかった場合はどうでしょうか。

ようやく500円で売却して残ったお金は5万円。元の10万円まで戻すには、株価が2倍になる株を見つける必要がありますが、それが至難の業であることは言うまでもないでしょう。それよりも10%上昇する株を探すほうが、ハードルはぐんと下がります(決して「簡単」とは言いませんが)。

絶対に損しないたったひとつの方法

要するに、ぐずぐず悩んでいるよりも、損になったら素早く損切りするほうが、気持ちの上でも、お金の上でも、ダメージが最小限ですむ、ということです。

ところが、頭ではわかっていても、なかなかそれを実行できないのが人間というもの。今の仕事をこのまま続けていても先は見えない......、ダメな相手とこのまま付き合っても望む未来は待っていない......。わかってはいるけれど、行動できないまま日々が過ぎてしまう。日常ではよくある風景です。

しかし、株式投資では「よくある」で済ませてはいけません。損切りできずにいることは、ただ損を大きくするだけでなく、利益を得る大切なチャンスを自ら失っていることなのです。

そこで、人はなかなか損切りできない生き物だと認めた上で、絶対に損切りできる方法を取ることが必要になりますが、実は、それはさほど難しいことではありません。機械的に損切りする仕組みを作ってしまえばいいのです。

例えば、「買った価格から10%下がったら損切りする」もしくは「〇万円損したら損切りをする」というように損切りラインを決めるのです。自らルール化することで、感情に流されず、機械的に、粛々と、損切りを行うことができるようになり、塩漬け株を増やすこともなくなります。

ここで重要なのは、投資する前に損切りライン決めてしまうことです。買った後で株価の動きを見ながら決めるのでは、ズルズルと損切りラインが下がってしまうのが目に見えています。

ルールを作っても自分は守れそうにない......という人には、さらにルールを徹底化するための便利な方法があります。株を購入した時点で「〇〇円以下になったら売却する」という売り注文を同時に入れておくのです。これは「逆指値注文」と言い、文字どおり、ルールを機械的に実行してくれます。

【関連記事】日本の株価に大きな影響を与える「外国人投資家」の正体

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

鉱物資源協定、ウクライナは米支援に国富削るとメドベ

ワールド

米、中国に関税交渉を打診 国営メディア報道

ワールド

英4月製造業PMI改定値は45.4、米関税懸念で輸

ビジネス

日銀、政策金利を現状維持:識者はこうみる
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 10
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中