最新記事

キャリア

起業は1度目より2度目が「ダントツで有利」な理由

2018年2月27日(火)16時34分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

imtmphoto-iStock.

<起業は大変、売却はもっと大変、再び起業するのはさらに大変!? なぜ一部の起業家は起業と売却を繰り返すのか>

「シリアルアントレプレナー」とは何か。会社を設立し、売却し、さらにまた会社を設立し、売却し......ということを延々と繰り返す起業家のことだ。

起業するだけでもハードルが高いのに、それを売却する!? そんなことは自分には無理、と思う人は多いかもしれない。

しかし、「連続起業」は誰にでも実現可能であり、それこそが人生の選択肢を広げる生き方だと、正田圭氏(31歳)は言う。15歳で最初の起業をした正田氏は、詐欺師に騙される失敗などを経験しつつも、起業と売却を繰り返し、20代で10億円の資産を作った。

なぜ一度会社経営に成功した人は、再び起業するのだろうか。正田氏の新刊『サクッと起業してサクッと売却する――就職でもなく自営業でもない新しい働き方』(CCCメディアハウス)から、その理由に関する箇所を抜粋する。3回シリーズの第2回。

※第1回:会社を売って何が悪い? 起業に崇高な理念など必要ない

◇ ◇ ◇

起業は自転車に乗るのに似ている。一度乗れるようになったら、乗り方は忘れない。

起業して売却するという手段を一度覚えたら、繰り返しやろうとする人は多い。

僕はたいして名の知れた連続起業家ではないが、著名な方だと、メルカリの山田進太郎さんやキャンプファイヤーの家入一真さん、バンクの光本勇介さんがいる。

3人とも、会社を売却した後、また新しい会社を立ち上げている。そして、二度目に立ち上げた会社の方が、最初に立ち上げた会社よりも大きくなっている。

彼ら以外にも、実はたくさんの連続起業家が存在している。僕自身、この連続起業家という存在をもっともっと世に広めていき、連続起業家を増やしたいと考えているため、本書の執筆に合わせて知り合いの連続起業家たちに協力を仰ぎ、ウェブ上で「連続起業家対談」を公開している。関心のある方はぜひ見てみてほしい(https://note.mu/keimasada)。

連続起業家たちは、自己実現の手段として、起業が最もシンプルかつ有効な方法だということを理解し、体感もしているため再起業するわけだが、他にも知られざる理由がある。

実は、起業は「数を重ねるごとに有利になっていくゲーム」なのだ。

若い人でも、一度会社経営に成功した人は、再起業する。初めて起業するときよりも、2回目の起業のほうが、ダントツで有利に進められる。

起業は「強くてニューゲーム」でプレイしろ

若い人なら「強くてニューゲーム」という言葉を知っているだろう。

「クロノ・トリガー」を代表とするロールプレイングゲームでは、いったんゲームをクリアしたら、クリア時点でのレベルやアイテムを引き継いで新しいゲームで遊ぶことができる。この仕組みを「強くてニューゲーム」という。


『サクッと起業してサクッと売却する
 ――就職でもなく自営業でもない新しい働き方』
 正田 圭 著
 CCCメディアハウス

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザ休戦案、イスラエルにこれ以上譲歩せずとハマス 

ワールド

EXCLUSIVE-チャットGPTなどAIの基盤モ

ワールド

米がイスラエルに供給した爆弾、ガザ市民殺害に使われ

ビジネス

英アーム、通期売上高見通しが予想下回る 株価急落
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食...止めようと叫ぶ子どもたち

  • 3

    習近平が5年ぶり欧州訪問も「地政学的な緊張」は増すばかり

  • 4

    いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グ…

  • 5

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 6

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 7

    迫り来る「巨大竜巻」から逃げる家族が奇跡的に救出…

  • 8

    イギリスの不法入国者「ルワンダ強制移送計画」に非…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 7

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 8

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 9

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 10

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中