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起業は1度目より2度目が「ダントツで有利」な理由

2018年2月27日(火)16時34分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

通常なら、レベルも一番下の、アイテムもロクに持っていないまっさらな状態からゲームをスタートしなければならないが、「強くてニューゲーム」はそうではない。

強い状態を維持したまま、新しいゲームを始められるのだ。強いレベルで、ステージを容易にクリアすることができるため、ゲームが格段にやりやすくなり、もっと高いレベルのステージに挑戦しやすくなる。

会社経営もこれと同じだ。

2度目の起業ともなれば、付き合いが長く、能力も気心も知れた人材でチームをつくることが最初のときよりも容易だ。1度目の起業の際に付き合いのあった会社の人がジョインしてくれる可能性だってある。

信頼関係もそこそこできあがっているため、相手の腹を探る必要もないし、安心して仕事を任せることができる。

僕が現在経営している会社は、2017年11月現在、新体制となって10カ月めだ。僕の会社の役員は、ほとんどが2017年3月に就任している。

ところが、出会って間もない人ばかりかというと、そんなことは全然ない。ほとんどのメンバーは僕と5〜10年近く付き合いのある人間だ。

以前、僕が経営していた会社にいて、その後、回り回ってまた入ってくれた人もいる。何が得意かも知っているから、仕事がしやすい。以前の取引先の人もいれば、仕事には発展しなかったものの、やり取りだけは続けていた人もいる。

相手も僕がどんな人間か、僕の経営する会社で求められるものは何なのか、をわかって入ってきている。「こんなはずじゃなかった」とすぐに辞められて、またメンバーを探すという時間の無駄もない。

これはお互いにとってとてもハッピーな関係だ。

人材だけでなく、取引先や外注にしても同じことがいえる。

以前経営していた会社の時代から付き合いのある取引先なら、そのときに構築した関係性は消えずに残る。

自分の会社は、M&Aで売ってしまえばハードもソフトも買い手側に行ってしまうが、関係性はそうではない。

取引先も「この人は前の会社を経営している間、毎月きちんと延滞することなく支払いをしてくれた」と覚えている。そのため、再度起業しても、信頼関係が残っているからさほど警戒することなく、新たに取引を始めてくれるだろう。

こうした信頼関係を一から構築するのと、ある程度構築されたところから始めるのとでは、事業立ち上げのスピード感が全く違ってくる。

とくに取引先の場合、ある程度こちらの会社の認知度が上がらないと、取引の入口にさえ立たせてもらえない。

それほどビジネスにおける信頼関係は大事なのだ。

【参考記事】学生はバイトするな、お金のために時間を犠牲にするな【箕輪×正田】

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