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横領から反社問題まで...高市政権が注力する「インテリジェンスの強化」は、民間企業にも不可欠だ

2025年11月7日(金)18時05分
山﨑卓馬(クロール日本支社長)

より根深い「日本的」な不正

筆者がこれまで企業インテリジェンスの調査で見てきた企業内部の不正行為は、大きく二つのタイプに分類される。ひとつは「個人的利益のための不正」、もうひとつは「会社(組織)のための不正」だ。

個人的利益のための不正とは横領や私的流用などである。役員や経営幹部など、役職が上の人間ほど起こしやすい不正だと言える。企業の幹部は決済権限も集中しがちであり、「自分はこれだけ稼いでいるから」「社長や幹部は大変だから」といった特権意識などで不正を正当化しがちである。

そして会社のカネと自分のカネの境界が曖昧になる。会社の経費で高級なクラブに通ったり、女性との交友関係の費用に充てたり、あるいは個人的な金銭的困窮から直接会社の資金に手を出す横領にまで発展するケースがある。

もう一つのパターンは、日本的とも言える不正だ。これはより根深いと言える。「会社のため」という理由で行われる不正や情報漏洩だ。「会社のため」「業績を良く見せるため」という大義名分で不正に走る。株主へのコミットメントや経営計画などのプレッシャーから、業績を水増しする「会計不正」が代表例である。

会社の組織ぐるみの不正は、社長が「白」と言えば誰も「黒」と言えない硬直的な企業風土が温床になっている。社外取締役など監視システムが設けられていても、実際には、たまにチェックをする担当者に過ぎず、トップの暴走を止められなかったケースをこれまでも見てきた。

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