最新記事
経営

AI時代に必要なのは、「鮨職人」の矜持と「耳を持つ」リーダー【note限定公開記事】

Japan’s “Eulogy Virtues”

2025年9月26日(金)18時05分
サム・ポトリッキオ(本誌コラムニスト、ジョージタウン大学教授)
ドキュメンタリー映画『二郎は鮨の夢を見る』より、鮨職人の小野二郎(左端)

記録映画『二郎は鮨の夢を見る』の鮨職人、小野二郎(左端)は完璧を追求し続ける。世界が学ぶべきはこのストイックな姿勢だ EVERETT COLLECTION/AFLO

<スピード至上のAI時代だからこそ、あえて遠回りを選ぶ。いま必要なのは「速さ」ではなく「人間味」>


▼目次
1.リーダーシップは鮨カウンターに宿る?
2.日本企業の示す別解、見えない場面の作法が力になる
3.「聞く力」が日本型カリスマをつくる

1.リーダーシップは鮨カウンターに宿る?

近年、アメリカのビジネススクールでは、社会経験の乏しい若者だけでなく、既に企業で一定の地位を確立していて、「さらに上」を目指す経営幹部候補向けのプログラムが増えている。

もし、筆者がそこで「日本型リーダーシップ論」という授業を担当するとしたら、第1回目の授業は、アメリカの人気ドラマ『ビリオンズ』(原題:Billions)のワンシーンを見せることから始めるだろう。

それはアメリカの超大手ヘッジファンドの幹部が、ニューヨークの高級鮨店を訪れる場面だ。

静謐な空気が漂うカウンターで、ほとんど芸術的ともいえる鮨職人の技に酔いしれる男は、同じカウンターに座る3人の若手金融マンの態度に憤慨する。

1人は食事中なのに大声で電話をかけ、もう1人は握り鮨をしょうゆにじゃぶじゃぶとつける。

ついに耐え切れなくなった男は、その食べ方を注意するのだが、相手のふざけた反応に一段と激高する。

職人たちは、10年かけて完璧な卵焼きを作れるよう修業する。傲慢で教養のない金融マンらは、その妥協を知らない職人技と細部へのこだわりを踏みにじっているというのだ。

The great sushi scene from the show Billions
byu/endababe invideos

男のモデルとなったのは、実在する金融業界の大物で、現在は大リーグ(MLB)ニューヨーク・メッツのオーナーであるスティーブ・コーエン(Steven A. Cohen)とされる。

この短いシーンは、日本型の企業経営を学ぶ価値についての、私なりのイントロダクションだ。

◇ ◇ ◇

記事の続きはメディアプラットフォーム「note」のニューズウィーク日本版公式アカウントで公開しています。

【note限定公開記事】AI時代に必要なのは、「鮨職人」の矜持と「耳を持つ」リーダー


ニューズウィーク日本版「note」公式アカウント開設のお知らせ

公式サイトで日々公開している無料記事とは異なり、noteでは定期購読会員向けにより選び抜いた国際記事を安定して、継続的に届けていく仕組みを整えています。翻訳記事についても、速報性よりも「読んで深く理解できること」に重きを置いたラインナップを選定。一人でも多くの方に、時間をかけて読む価値のある国際情報を、信頼できる形でお届けしたいと考えています。

ニューズウィーク日本版 ISSUES 2026
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月30日/2026年1月6号(12月23日発売)は「ISSUES 2026」特集。トランプの黄昏/中国AIに限界/米なきアジア安全保障/核使用の現実味/米ドルの賞味期限/WHO’S NEXT…2026年の世界を読む恒例の人気特集です

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

シャンパンボトルの花火が原因か、40人死亡のスイス

ワールド

ベネズエラ大統領、米と関係改善意向 麻薬協議・投資

ビジネス

テスラ、25年販売9%減で首位転落 中国BYDが世

ワールド

ウクライナ、大統領府長官にブダノフ国防省情報総局長
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 2
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙」は抑止かそれとも無能?
  • 3
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 4
    感じのいい人が「寒いですね」にチョイ足ししている…
  • 5
    【現地発レポート】米株市場は「個人投資家の黄金時…
  • 6
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 7
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 8
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 9
    日本人の「休むと迷惑」という罪悪感は、義務教育が…
  • 10
    「断食」が細胞を救う...ファスティングの最大効果と…
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 3
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 4
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 5
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 6
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 7
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 8
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中