中国経済に予想外の追い風...米中関税戦争中なのに「輸出ブースト」の背後にあるもの
China's Economy Gets Surprise Lift from Trump's Trade War
合意したとしても油断できない
トランプは7月2日、ベトナムと貿易協定に合意したことを発表した。アメリカはベトナムからの輸入品に対し20%の関税を課すことになる。ただし、アメリカが「中国がベトナム経由でアメリカに輸出した」とみなされた品目には、より高い40%の税率が適用されるという。
複数の専門家によると、迂回輸出が対中関税の効果を弱める可能性があり、これを防止する措置が中国の輸出業者にさらなる困難をもたらす可能性があるという。
2025年6月の中国の対ベトナム輸出は前年同月比で23.8%急増し、同国からの輸入は13.7%減少した。
魏教授は「米中双方が合意を望んでいるため、8月12日までに何らかの合意に至る可能性はある」という。
「中国はアメリカとの貿易摩擦の激化回避を望んでいるように見える。アメリカも中国によるレアアースの輸出制限という報復措置を受け、以前よりも歩み寄りの姿勢を見せている」
その一方、「トランプが合意済みの事項にさらに新たな要求を重ねる傾向があることを考えると、特定の期日までに合意が成立すると楽観視することはできない」とも述べた。
「合意が成立したと思った翌朝に、トランプが相手国に新たな関税を課したとしても驚かない」
ブルームバーグのエコノミスト、エリック・チューは、「6月の中国の輸出増の主因は関税引き下げにともなう対米輸出の反発だ」と分析しつつ、「この現象が長続きするとは限らない」とも指摘している。