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「強すぎたドル」がさらに下落?...「格下げ」で投資家は慎重姿勢に転換

2025年5月20日(火)13時03分

長期的な懸念

投資家やストラテジストは何年も前からドルが過大評価されているとみなしてきたものの、米経済の強さがネックとなり、ドル先安に賭ける取引は何度も不首尾に終わっている。ところがそうした構図に変化が起きる可能性が出てきた。

スタンダード・チャータードのグローバルG10FX調査責任者を務めるスティーブ・イングランダー氏は、最近の幾つかの貿易合意が外国為替市場をある程度平穏にしたかもしれないが、それで米国が直面する長期的な信認問題が解決したわけではないと指摘。「ドル安のストーリーは終わっていない」と主張した。


 

投資家の間では、米国の長期的な財政状況も懸念されている。トランプ大統領が目指す減税措置の延長が実現すれば、向こう10年で米国の政府債務は3兆-5兆ドル上積みされるというのが専門家の見立てだ。

ドイツ銀行のグローバルFX調査責任者を務めるジョージ・サラベロス氏は「米国資産購入意欲の減退と非常に高水準の赤字が固定化された米財政プロセスの組み合わせは、市場を極めて神経質にさせている」と記した。

外国人投資家の動き

米国資産は何年にもわたって値上がりしてきただけに、世界中の投資家が保有する米国株や米国債は最近の売りがあっても、なお膨大だ。

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