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ドル

「強すぎたドル」がさらに下落?...「格下げ」で投資家は慎重姿勢に転換

2025年5月20日(火)13時03分

ただドルがこのところ安全な逃避先として機能しなくなったことで、今後各方面から米国資産への売り圧力が出てくる恐れがある。

BNPパリバ・アセット・マネジメントのFXポートフォリオマネジャー、ピーター・バッサッロ氏は「ドルがもはや安全通貨としての働きがなくなり、(リスク)分散化にならないとすれば、本当にこれほど大量に保有すべきなのか」と問いかける。


 

ヘッジ活発化のリスク

過去10年に及ぶドルの強さゆえに、市場参加者は通貨リスクをそれほど心配せずに米国資産を保有できた。

そうした中で、外国人投資家が多少なりともヘッジ比率を高めただけでも、ドルには著しい売り圧力が生じかねない。

ヘッジ活動増大は、ドルの直接的な需要を後退させ、フォワード市場でのドル売り拡大をもたらすからだ。

中国、韓国、シンガポール、台湾といったアジアの国・地域は、数十年間で蓄積した対米貿易黒字を米国資産に投じ、ドルのエクスポージャーを積み上げてきている。

ただ今月初めには台湾ドルが2日間かつてないほど高騰し、投資家が急いでドル買いポジションを解消する際に起きる市場の混乱が浮き彫りになった。

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