最新記事
仮想通貨

投機的で変動が大きい暗号資産「ミームコイン」の熱狂再燃 ペペが一時7000%の急騰

2023年5月19日(金)09時09分
ロイター

市場参加者からは、ミームコインで大損する可能性に警鐘も鳴らされている。マーケットベクター・インデックスのマーチン・ラインウェバー氏は「人間は投機が大好きだ。(しかし)私は依然としてミームコインを買うことには非常に慎重になっている。これは最も純粋なギャンブルだ」と指摘した。

実用性なし

ペペのウェブサイトには「正式なチームやロードマップを持たない」人のために創設され、「娯楽目的限定で実用性は全くない」と記されている。

仮想通貨データを扱うメサリの話では、ペペはブロックチェーンとして2番目の規模を持つイーサリアム上で急成長を続けたミームコインだ。メサリのアナリスト、チェース・デベンス氏は、バイナンスを含めた主要な中央集権型交換所(CEX)へ早期上場したことで、人気がさらに高まったと説明した。

バイナンスはウェブサイトで、ペペには「実用性」もしくは「価値を支えるメカニズム」は存在しないと明記するとともに、ペペのボラティリティーについて警告し、バイナンスとして取引で生じた損失には責任が持てないとくぎを刺している。

デベンス氏によると、ペペはCEX上場でデリバティブ取引の道も開かれた一方、レバレッジポジションの規模やボラティリティーのためにイーサリアムでの取引手数料は押し上げられているという。

いずれにしてもミームコインの命運は、他の仮想通貨と同じく個人投資家の動きに根ざし、ネット空間の雰囲気を原動力とする傾向が強い。

ドージコインとシバイヌも、しばしば荒っぽい値動きを経験してきた。

2013年に立ち上げられたドージコインは、1万2000%余り上昇して21年5月に最高値を記録した後、90%近くも値下がりした。シバイヌも21年10月の最高値から9割目減りしている。

コインゲッコーのデータに基づくと、新顔のペペの保有者は10万人余りだ。

仮想通貨流動性プロバイダー、B2C2のトレーディング責任者、エドモンド・ゴー氏は今回のミームコイン高騰について「興味をそそられる現象だ。待機したままの投資資金がなお存在することを物語っている」と述べた。

(Lisa Pauline Mattackal記者、Medha Singh記者)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

SDGs
2100年には「寿司」がなくなる?...斎藤佑樹×佐座槙苗と学ぶ「サステナビリティ」 スポーツ界にも危機が迫る!?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国、ガリウムやゲルマニウムの対米輸出禁止措置を停

ワールド

米主要空港で数千便が遅延、欠航増加 政府閉鎖の影響

ビジネス

中国10月PPI下落縮小、CPI上昇に転換 デフレ

ワールド

南アG20サミット、「米政府関係者出席せず」 トラ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 2
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一撃」は、キケの一言から生まれた
  • 3
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった...「ジャンクフードは食べてもよい」
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 9
    「豊尻」施術を無資格で行っていた「お尻レディ」に1…
  • 10
    「爆発の瞬間、炎の中に消えた」...UPS機墜落映像が…
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 8
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 9
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中