最新記事

仕事術

「マネジメント=組織の管理」ではない...遠藤功氏が語る仕事を「いい感じ」にする方法

2022年2月24日(木)17時18分
flier編集部

セルフマネジメントで基本となるのが、「整理整頓(2S)」です。時間もお金もエネルギーもリソースが有限なので、結果を出している人は、どうでもよいことをどんどん捨てている。目標を達成するうえで重要なことにリソースを集中して使わないといけない。結果を出している人は必ずそれを認識しています。

たとえばもし「上司の方針がコロコロ変わって振り回され、結果が出せていない」と悩んでいるとしましょう。その場合、上司のせいにするのでなく、うまくいかないのが前提ととらえて自らコントロールできることに目を向けるのです。

ゴルフの場合、最小の打数でラウンドを終えるというゴールに向かって、風向きや強さ、バンカーの位置などを読み、その都度最適な手を打たないといけない。それと同様に、「上司にこまめに方針変更がないか確認する」とか「普段から上司に相談しやすい関係性を築いておく」などと、自ら手を打つことができますよね。このように、与えられた環境をどう最適化していくかという発想で動くことがマネジメントの要諦です。

名マネージャーは、Z世代の考え方も柔軟に受け入れている

── 組織の形態や働き方、仕事観の変化に伴い、日本企業のマネジメントがどのように変化しているのか、お聞かせいただけますか。

これからのマネジメントは「統率型」から「コーチ型」へと変化していきます。これまでは上司が指示や命令で部下を動かす「統率型」が主流でした。

ですが、このスタイルは、一人一人が自律的に働くことがいっそう大事になるリモートワークのもとでは非効率。部下が自ら考えて動けるよう、双方向のコミュニケーションを通じて解決策を探していくような「コーチ型」のマネジメントが求められます。

しかも、働き方の多様化やリモートワークの浸透により、一人一人の属性も状況も変わり、変数が増えています。まさに複雑性のマネジメントが求められています。

一律の方法で人を動かせた時代と比べて、マネジメントの難易度が格段に上がっている。一人一人の価値観や個性を見ながら、個人のアウトプットを最大化することが必要ですから。マネジメントの巧拙が見えやすくなったともいえます。

── そうした変化のもと、マネージャーやリーダーはどう自分を磨き、企業や社会に貢献していくとよいのでしょうか。

さまざまな企業の現場を見てきていますが、有能なマネージャーは、Z世代の考え方も柔軟に受け入れています。Z世代は一般的にSNSを通じて頻繁にコミュニケーションをとることに慣れています。だからマネージャーは放っておくのではなく、コーチのように一人一人の話に耳を傾けて、こまめにフォローすることが求められているのです。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

石破首相「双方の利益になるよう最大限努力」、G7で

ワールド

米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=

ワールド

独仏英、イランに核開発巡る協議を提案 中東の緊張緩

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 8
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 9
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 10
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中