ニュース速報
ビジネス

米雇用、11月予想上回る+6.4万人 失業率は4年超ぶり高水準

2025年12月17日(水)02時49分

ニューヨークのジョブフェア、2021年撮影。REUTERS/Andrew Kelly

Lucia Mutikani

[ワシントン 16日 ロイター] - 米労働省が16日発表した雇用統計によると、非農業部門雇用者数は10月に政府支出削減の影響で減少した後、11月には回復した。トランプ大統領の通商政策に起因する不確実性に企業が対処する中でも、労働市場が大きく悪化していないことを示唆した。

一方、11月の失業率は労働市場の弱含みで4.6%と、4年超ぶりの高水準となった。9月の失業率は4.4%だった。10月にデータが収集されなかったため、労働力推計のウエートを変更した。

43日間に及ぶ政府機関の一部閉鎖の影響で家計調査によるデータ収集ができなかったため、10月の失業率などの指標は含まれていない。

非農業部門雇用者数は10月に10万5000人減少。11月は6万4000人増で、エコノミスト予想の5万人増を上回った。これは政府閉鎖の一環で15万人以上の連邦職員が離職したことを反映している。多くは9月末に給与支給対象から外れた。

ネーションワイドのチーフエコノミスト、キャシー・ボストジャンシック氏は「民間雇用の堅調な推移は、米連邦準備理事会(FRB)が利下げサイクルを一時停止するとの見方を裏付ける」と指摘。その上で「失業率の上昇については鵜呑みにすべきではない」とし、政府閉鎖の影響で家計調査データの収集が中断されたことでデータに歪みが生じ、標準誤差は通常より大きくなっていると述べた。

雇用の伸びは4月以降ほぼ横ばいで推移している。エコノミストらは、トランプ大統領の広範な関税措置を受けて企業に動揺が広がり、採用が控えられていることが背景にあるとの見方を示した。

11月は、業種別では医療関連が雇用増をけん引し、4万6000人増加した。建設業は2万8000人、社会扶助は1万8000人、それぞれ増加した。

一方、運輸・倉庫は1万8000人減少。宅配・配送関連の雇用減を反映した。連邦政府は6000人減。10月は16万2000人大幅に減少した。連邦政府の雇用は1月のピーク以降、27万1000人減少している。

11月の時間当たり平均賃金は前年比3.5%上昇した。10月は3.7%上昇。雇用の伸び鈍化は賃金上昇を抑制し、インフレ抑制に寄与する一方、 経済の主な原動力である個人消費にとっては逆風となる可能性がある。

雇用統計の発表に先立ち労働統計局(BLS)は11月の労働力人口推計について、「通常より若干高いばらつきがある。12月の推計では通常のウエートに戻る」とした。

また11月の家計調査には、通常の倍の新規世帯が参加する一方、登録期間の途中で休止していた世帯が復帰するとした。一部のエコノミストは、11月の失業率に上方バイアスがかかる可能性があるとの見方を示した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英国立統計局、新たな労働市場調査の半年延期検討=ブ

ワールド

韓国の尹前大統領に懲役5年の有罪判決 公務執行妨害

ビジネス

午後3時のドルは158円前半、介入警戒で不安定な動

ワールド

ベトナム、26年は外国からの融資55億ドル目標 イ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑について野次られ「中指を立てる」!
  • 2
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    イランの体制転換は秒読み? イラン国民が「打倒ハ…
  • 5
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 6
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    日中関係悪化は日本の経済、企業にどれほどの影響を…
  • 9
    年始早々軍事介入を行ったトランプ...強硬な外交で支…
  • 10
    イランの大規模デモ弾圧を可能にした中国の監視技術─…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 4
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 7
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 8
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 9
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 10
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 8
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中