パン屋もバーも火鍋屋も悲鳴 中国の零細事業者、新型コロナウイルスの流行で存亡の危機
◎「最悪のタイミング」=火鍋レストラン
リー・ボヤンさん(28)は1月、北京に魚専門の火鍋レストランを開業するため、繁華街物件の賃貸と改装に400万元(約6000万円)を投じた。
しかし新型コロナウイルスの感染拡大で開業は遅れ、店が客であふれるという夢も遠のいた。
「経験では春節後はビジネスがとても好調なはずなのだが、今年はタイミングが最悪だった」
今レストランにいるのはウエイター数人だけ。ピカピカの床とテーブルを何度も消毒して暇をつぶしているという。
最も深刻なのは資金繰りだ。「良い日でも客は1人か2人。1日の売り上げが1000元(約1万5000円)を超えることはない」
◎「客は1日2、3人」=高級スパ
北京の高級モールに店舗を構える「パール・デラックス」は、スキンケアやスパを提供している。4年前に開店して以来、ここまで来客数が落ち込んだのは初めてだ。
マーケティングマネジャーのリリー・ファンさん(42)は「通常は毎日少なくとも20人の来客があるが、今はせいぜい2、3人」と言う。オンラインのレビューアプリによると、この店の顧客が1回に使う金額は平均2500元近い。
店は現在、大家が賃料を免除してくれるかどうかを待っている。他に打てる手はほとんどないとファンさんは言う。
「11人の従業員と顧客のために、なんとか頑張り通すつもりです」
[北京/上海 ロイター]

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