米株市場ダウ2352ドル暴落、過去最大の下げ幅 トランプの入国制限を嫌気

米国株式市場は暴落。ダウ平均株価は2352ドル値下がりし、過去最大の下げ幅を記録したほか、下落率も約10%と1987年10月のブラックマンデー以降で最大になった。ニューヨーク証券取引所で撮影(2020年 ロイター/BRENDAN MCDERMID)
米国株式市場は暴落。ダウ平均株価は2352ドル値下がりし、過去最大の下げ幅を記録したほか、下落率も約10%と1987年10月のブラックマンデー以降で最大になった。トランプ米大統領が11日、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するため、英国を除く欧州からの入国禁止を発表したことが嫌気され、世界各国で株安が加速した。
S&P総合500種指数とナスダックは2月に付けた最高値から20%超下落し、金融危機以来の弱気相場入りとなった。ダウも前日に弱気相場入りしており、米国史上最長の強気相場は終わりを迎えた。
ノバポイント(ジョージア州)のジョゼフ・ストローカ最高投資責任者(CIO)は「市場はこれまでのコロナ対策が十分でないと感じており、これが売り継続につながっている」とした上で、「市民生活が通常に戻る見通しが全く立たない。著名な組織や教育機関、スポーツ団体などが相次いでイベントの中止を決めている」と述べた。
欧州からの入国制限を受け、航空株は12.3%安となった。
米連邦準備理事会(FRB)の金融調節を担うニューヨーク連銀は12日、1兆5000億ドル規模の追加レポオペを実施すると発表した。さらに継続中の国債購入については、幅広い銘柄を買い入れの対象にする方針を示した。
FRBは前週実施した緊急利下げに続き、17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げを決定すると予想されている。
金利に敏感な銀行株は10.5%下落。企業が融資枠の利用に動く中、信用懸念から債券ファンドも打撃を受けた。
このほか、個別銘柄ではボーイングが18.1%急落。JPモルガンが投資判断を「オーバーウエート」から「ニュートラル」に引き下げたことを嫌気した。
S&P500の主要11セクターはいずれも大幅なマイナスで引けた。
米株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)は2008年11月以来の水準に上昇した。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を23.77対1の比率で上回った。ナスダックでも17.69対1で値下がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は185億4000万株。直近20営業日の平均は124億9000万株。