最新記事

ビジネス

日本の絵本が中国でケタ外れに売れる理由 世界が狙う巨大市場にどう切り込んだ?

2019年3月11日(月)15時00分
星野 渉(文化通信社専務取締役) *東洋経済オンラインからの転載

児童書国内最大手のポプラ社が中国に設立した現地法人、蒲蒲蘭(ぷぷらん)の絵本。北京市内の新業態書店に並び、中国人親子の目を引いている(筆者撮影)

日本の出版市場は2018年も縮小し、書籍・雑誌の推定販売金額は1兆2921億円(出版科学研究所調べ)となり、1997年に前年を割って以来、21年間にわたってマイナスが続いている。その背景には、メディアの多様化や人口の減少など構造的な問題があるため、今後もすぐに市場が拡大に転じることは考えにくい。

そのような中で、海外市場が注目されている。なかでも、巨大な人口を抱え、日本とは文化的にも経済的にも密接な関係を持つ中国市場の存在感が出版業界で高まっているのだ。

「トットちゃん」中国で1000万部突破

2017年、日本でも800万部を超えて戦後最大のベストセラーとなっている黒柳徹子『窓ぎわのトットちゃん』の中国版発行部数が、日本を上回る1000万部を突破したというニュースが流れた。また、いま中国で最も売れるフィクションの作家は東野圭吾だという報告もある。たしかに、中国では多くの書店が入り口付近の平台で東野作品の中国版を大々的に展開している。

中国で日本出版物の翻訳版を刊行する出版社は多い。日本の出版社などによる主要な現地法人は、大手出版社の講談社が設立した講談社(北京)文化有限公司、KADOKAWAが中国大手出版グループと合弁で設立した広州天聞角川動漫、児童書最大手のポプラ社が設立した北京蒲蒲蘭文化発展有限公司(以下、蒲蒲蘭=ぷぷらん)、大手取次の日本出版販売が設立した北京書錦縁諮詢有限公司など多数ある。

また、『窓ぎわのトットちゃん』の中国版を出し、山岡荘八『徳川家康』中国版を累計300万部販売したのをはじめ、東野圭吾や村上春樹など日本のベストセラー作家の作品を数多く刊行する新経典文化股份有限公司といった現地民間出版社の存在も大きい。

ニュース速報

ビジネス

米NHTSA、新車安全性能評価プログラムの見直し再

ワールド

景気低迷時、財政出動の役割大きい=英中銀総裁

ワールド

シンガポール経済、今年は「幸運なら」プラス成長=首

ワールド

焦点:米中貿易、ほぼ全面的な関税が「新標準」化の恐

MAGAZINE

特集:AI vs. 癌

2019-10・22号(10/16発売)

ゲノム解析と人工知能で最適な治療薬を発見する究極の癌治療が人類を「最後の敵」から救う日

人気ランキング

  • 1

    韓国は、日本の対韓感情が大きく悪化したことをわかっていない

  • 2

    ヘイトに立ち向かったK-POPアイドル、ソルリ追悼写真集

  • 3

    韓国・文在寅の賃上げ政策が招いたこと──映画館からスタッフが消えた

  • 4

    日本と韓国の危険なゲームが世界経済を殺す

  • 5

    ラグビーW杯で考えさせられる、日本の「おもてなし力」

  • 6

    中国の探査機が月に持ち込んだ植物の種、ハエの卵...…

  • 7

    韓国で長引く日本製品不買運動、韓国企業への影響が…

  • 8

    米軍撤退で追い詰められたクルド人がシリア、ロシア…

  • 9

    トルコの侵攻を黙認する見返りに、米国、ロシア、シ…

  • 10

    ラグビー日本代表「多様性ジャパン」は分断と対立を…

  • 1

    イランで逮捕された「ゾンビ女」の素顔

  • 2

    韓国は、日本の対韓感情が大きく悪化したことをわかっていない

  • 3

    全米最悪93人の連続殺人犯が「驚異的」な記憶力で描いた被害者の肖像

  • 4

    ヘイトに立ち向かったK-POPアイドル、ソルリ追悼写真集

  • 5

    韓国・文在寅の賃上げ政策が招いたこと──映画館からス…

  • 6

    日本に巣食う「嫌韓」の正体

  • 7

    「国に『金くれ』とか言うなよ」という話? 再開され…

  • 8

    「OK」のサインは白人至上主義のシンボルになったの…

  • 9

    日本が「生産性が低すぎる国」になった五輪イヤー 衰…

  • 10

    ラグビー日本代表「多様性ジャパン」は分断と対立を…

  • 1

    韓国で長引く日本製品不買運動、韓国企業への影響が徐々に明らかに

  • 2

    写真撮影で「怪しいOKサイン」を出したテーマパークのスタッフが解雇

  • 3

    イランで逮捕された「ゾンビ女」の素顔

  • 4

    「OK」のサインは白人至上主義のシンボルになったの…

  • 5

    繁殖を止めるために遺伝子組み換えされた蚊、自然界…

  • 6

    「独島が韓国の領土であるとの証拠は何もない」韓国…

  • 7

    米韓関係の険悪化も日本のせい⁉ 文在寅がまた不安な…

  • 8

    コモドドラゴンの体内に「鎧(よろい)」があること…

  • 9

    サウジ原油施設攻撃で世界は変わる

  • 10

    ハワイで旅行者がヒトの脳に寄生する寄生虫にあいつ…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2019年10月
  • 2019年9月
  • 2019年8月
  • 2019年7月
  • 2019年6月
  • 2019年5月