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アップルiPad2が未来を連れてくる【前編】
劇的変更がないのは、アップルがiPadを未来型コンピューティングの先駆けと位置づけている証拠だ
サプライズ 病気療養中のジョブズが表れた驚きが一番大きかった Beck Diefenbach-Reuters
アップルが今日、サンフランシスコでiPad2を発表した。舞台に立ったCEOのスティーブ・ジョブズらは、「ポストPC」という言葉を10回以上も使ったのではないかと思う。彼らの野望が伺える言葉だ。アップルにとってiPadは、単に次の稼ぎ頭というだけの存在ではない。アップルが思い描く未来型コンピューティングの第1弾なのだ。
すべてのパソコンがタブレット型端末になるわけでも、デスクトップやノートパソコンが絶滅するわけでもない。だが長期的にはタブレット機の市場シェアが増すのは間違いないし、より重要なのは、今のデスクトップやノートパソコンもよりiPad的な機能を果たすようになるということだ。つまり、使い方やメンテナンスが簡単で、今以上に生活のさまざまな場面で使われるようになる。
iPad2は、アップルがこうしたコンピューターの未来像を実現する足がかりとなる。会見で、iPadの販売台数が昨年の発売開始から1500万台に達したと発表したということは、さらに大きな野望の一端を示している。
大きく変えないのが作戦
新型iPadを20分ほど使ってみたが、たしかにアップルはこの野望を叶えそてしまいそうだ。私はアップルがタブレット市場の主導権を守るためには、iPad2を従来型から大きく変えない方がいいと考えていたが、アップルも同じ考えだったようだ。
アメリカでは3月11日(日本では25日)に出荷が始まる新型iPadは、いくつかの重要な部分が多少改善されている程度で、従来型とそれほど大きくは違わない。特徴は、処理速度が上がったこととカメラを2つ内蔵していること、そしてより軽くて薄いデザインだ。色も黒と白の2色から選べるようになった。
価格について言えば、安さを望んでいた人々には残念だが新型も初代iPadと同じ価格構成となっている。最も安いモデルで499ドル、最も高いモデルが829ドルだ。ちなみに現在、旧型は399ドルで買える。
立てかけて使える工夫も
iPad2のデザインについてジョブズは、従来型とは「劇的に違う」と語ったが、見ただけではそれはわからない。だが実際に手に取ると、iPad2は確かに新しい。薄さは従来の13.4ミリから8.8ミリへ3割減となり、重さも80グラム軽量化された。それほど違うとは思えないかもしれないが、これまでのように重過ぎると感じることはもうなくなった。
デザイン面での最も印象的な変更点はiPad本体ではなく、アップルがデザインした「スマートカバー」だ。この折りたたみ式のカバーは皮製が69ドル、ポリウレタン製が39ドルで、内蔵された磁石によってiPad本体に張り付く仕組みだ。
カバーを三角形に折りたためば本体に傾斜をつけて置くことが可能となり、スクリーン操作がしやすくなる。さらに映像を見たりビデオチャットをするのに便利なよう、本体を立てて使うことも可能になった。初代iPadユーザーの悩みは、このカバーが解決してくれるだろう。旧型には使えないのが残念だが......続く
© 2011 WashingtonPost.Newsweek Interactive Co. LLC (Distributed by The New York Times Syndicate)
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