最新記事

ロボット兵士開発に国連が「待った」

ドローンの世紀

無差別攻撃から災害救助まで急速に進化する無人機は善か悪か

2013.06.07

ニューストピックス

ロボット兵士開発に国連が「待った」

無人攻撃機なんか目じゃない、殺人ロボットの脅威

2013年6月7日(金)15時53分
デービッド・トリフノフ

「一線」はどこに 欧州5カ国のメーカーが開発中の無人戦闘攻撃機 Jason Reed-Reuters

 国連の報告書が、人間による操作を必要としない「自律型ロボット兵士」の開発凍結を勧告した。報告書の執筆者は南アフリカのクリストフ・ヘインズ教授。

「致死能力を持つ自律型ロボット兵士の導入には、細心の注意が必要だ」と、報告書は指摘している。「もし使用されれば、人命の価値と保護、国際社会の安定と安全保障に重大な影響を与えかねない」

 報告書は5月末にジュネーブで開かれる国連人権理事会に提出される予定だ。ロボットは民間人と戦闘員を区別できないと、ヘインズは指摘。既に攻撃用に使われている無人機についても、各国は必要性を証明する必要があると主張した。

 一方、国際的な人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は、「ロボット兵士」の全面禁止を訴えている。アメリカや中国、ロシアは軍事技術の改良を極限まで推し進め、完全自律型兵士を実現させつつあると、HRWは主張する。

「ロボット兵士は倫理・法律面で『一線を越える』兵器」だと、HRWのスティーブ・グースは言う。「社会一般の良識に反する存在として拒否すべきだ」

From GlobalPost.com特約

[2013年5月14日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ政権、台湾に追加投資と人材育成を要求 通商

ビジネス

10月スーパー販売額2.7%増、節約志向強まる=チ

ビジネス

中国、消費促進へ新計画 ペット・アニメなど重点分野

ワールド

米の州司法長官、AI州法の阻止に反対 連邦議会へ書
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中