最新記事

これだけは押さえたい役立ちツール

クラウド化知的生産革命

仕事の効率化から「知」の創造まで
新世代コンピューティングの基礎知識

2010.02.04

ニューストピックス

これだけは押さえたい役立ちツール

音楽ダウンロードからオンデマンド映画まで、これであなたも一歩進んだクラウド生活!

2010年2月4日(木)12時01分
ダニエル・グロス(ビジネス担当)

■どこでもメール

 クラウド・コンピューティングが初めて本格的に実用化されたのはウェブメール。「クラウド」という言葉が登場する以前から、ヤフーメールやマイクロソフトのホットメールなどのメールサービスを通じて大勢の人がウェブメールを利用している。

 ホットメールの普及をきっかけに、いつでもメールが自分に「付いてくる」状況に人々はすっかりとりこに。マイクロソフト・エクスチェンジで社内メールを管理している企業は、ウェブクライアントとしてアウトルック・ウェブアクセスを利用できる。

■安心快適ストレージ

 多くの人にとって、メールの次のクラウド体験はストレージ(データ保存)だ。クラウド上にデータを保存することが魅力的な理由はいくつかある。まず、手軽なこと。自宅でも旅先でも自分のノートパソコンからデータにアクセスできる。そして、安全なこと。記憶媒体が手元にないから火災や盗難で紛失する心配もない。

 さらに、大幅なコストダウンのおかげで価格が手頃になった。モジー・ドットコムは2ギガバイトまで無料、月5ドルで容量は無制限。カーボナイト・ドットコムも容量は無制限で年間55ドル(月約4.5ドル)。

■音楽はネットで聴く

 エンターテインメントのコンテンツをダウンロードしたりストリーミングで楽しんだり。クラウドを双方向で利用する方法をユーザー自身が次々に見つけている。カセットテープがCDに、CDがMP3に取って代わられたように、MP3はクラウドに取って代わられるかもしれない。

 初期のクラウドアプリケーションの1つがアップルのiTunesだ。最近登場したスポッティファイのサービスは音楽の購入習慣を劇的に変える可能性を秘めている。どのコンピューターからでも400万曲のライブラリーにアクセスしてストリーミングで聴ける。選んだ曲をiPodに保存して、ネットに接続できない地下鉄の中で楽しむことも可能。

 もちろん、すべて合法だ。無料版は数曲ごとに広告が入る。プレミアムバージョン(月15ドル)は広告なし。より高音質で、無料版では聴けない曲もそろう。ヨーロッパ数カ国で利用でき、アメリカでも間もなくサービスが始まる(日本進出は未定)。

■映画はオンデマンド

 iTunesで映画を「レンタル」してテレビ番組をダウンロード。アメリカの若者はケーブルテレビを見ずに、いつでも好きな映画や番組を楽しむようになっている。

 クラウド上で映画を見るならネットフリックスだろう。DVDを郵送でレンタルできる(アメリカ国内のみ)ほか、パソコンやデジタルレコーダーのティーボ、ゲーム機Xbox360に接続したテレビでタイトル一覧を確認できる。ストリーミング配信の視聴は利用プランに関係なく無制限。

 アップルTVロク・プレーヤースリングボックスなどの機器があれば、ダウンロードをしなくてもストリーミング配信で映画を楽しめる。

■電子書籍で読書の秋

 あまり目立たないかもしれないが、本などの印刷媒体も、実はクラウドの世界に移行しつつある。

 アマゾン・ドットコムの電子書籍端末キンドルは画期的なクラウド版書籍。アマゾンのオンラインストアがクラウド上の図書館になると考えればいい。ワイヤレスのインターネット接続機能内蔵だから、目当ての本が見つかったら即ダウンロード。1分足らずで読み始められる。新聞や雑誌、ブログも読める。ソニーのReaderも似たようなサービスを提供している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米ISM製造業景気指数、4月48.7 関税コストで

ビジネス

米3月建設支出、0.5%減 ローン金利高騰や関税が

ワールド

ウォルツ米大統領補佐官が辞任へ=関係筋

ビジネス

米新規失業保険申請1.8万件増の24.1万件、2カ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 10
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中