コラム

日本人考古学者を「クビ」にした中国の大学は、本を読まずに空気ばかりを読んでいる

2025年06月07日(土)17時00分
ラージャオ(中国人風刺漫画家)/トウガラシ(コラムニスト)

次々に「習近平思想研究センター」を設立

よく空気を読む中国の大学は、次々に「習近平思想研究センター」を設立している。こういう「研究」が多ければ多いほど、弾圧と告発は少なくなるからだ。

その傾向は大陸にとどまらず、香港にも広がり続けている。2024年からは、「習近平思想」が香港の中学生向け「愛国教育」に組み込まれた。数年前には民主化運動で燃え上がった香港の大学のキャンパス内に、習近平思想研究センターが設立されるのも、もはや時間の問題だ。


ポイント

宮本一夫
京都大学文学部史学科卒。2002年から九州大学教授。東アジア考古学が専門で、農耕や青銅器の起源、国家形成の比較研究を行ってきた。米芸術科学アカデミーの外国人名誉会員。

ピーター・ヘスラー
1969年生まれ。プリンストン大学卒業後、96年から2年間四川省で英語教師を務め、その経験を基に『リバータウン』を執筆。07年までフリー記者・特派員として中国で取材・執筆した。

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プロフィール

風刺画で読み解く中国の現実

<辣椒(ラージャオ、王立銘)>
風刺マンガ家。1973年、下放政策で上海から新疆ウイグル自治区に送られた両親の下に生まれた。文革終了後に上海に戻り、進学してデザインを学ぶ。09年からネットで辛辣な風刺マンガを発表して大人気に。14年8月、妻とともに商用で日本を訪れていたところ共産党機関紙系メディアの批判が始まり、身の危険を感じて帰国を断念。以後、日本で事実上の亡命生活を送った。17年5月にアメリカに移住。

<トウガラシ>
作家·翻訳者·コラムニスト。ホテル管理、国際貿易の仕事を経てフリーランスへ。コラムを書きながら翻訳と著書も執筆中。

<このコラムの過去の記事一覧はこちら>

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