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超監視型社会『1984年』の悪夢は中国で実現する

©2024 REBEL PEPPER/WANG LIMING FOR NEWSWEEK JAPAN
<全体主義国家の中国は、SNSだけでなく空港や学校、タクシーなどあらゆる場所で監視システムを導入している。最新型のEVも例外ではない>
こんな出来事があった。国外に暮らす中国人Tが中国の親友と連絡するため、中国のアプリWeChat(ウィーチャット)を利用し始めた。そして、中国に関わる外国メディアの記事をウィーチャットで中国の親友とシェアしようとした。普通に使っていると思っていたある日、突然中国の親友から「何があった? なぜかあなたの朋友圏(モーメンツ)が真っ白になって、何も見られなくなったよ!」という連絡が来た。
びっくりしたTは慌ててウィーチャットをチェック。投稿はちゃんとある、こっちからはきちんと見えるよ、と親友に伝えた。同時に、国外にいる友人と中国にいる友人数十人以上に聞くと、あることが発覚した。
ウィーチャットアプリには、国外向けの「WeChat」と、中国国内向けの「微信」という2つのバージョンがある。「WeChat」を使う人はほぼ国外にいるので、Tの投稿はちゃんと見られる。一方、中国国内に暮らしている友人はTの投稿を見られない。
Tがシェアした国外ニュースが中国政府の禁じる内容だったため、ハイテクを使って中国国内のユーザーだけを遮断したと考えられる。用心深く、賢い技術だ。「只有想不到、没有作不到(ただ思い付かないだけ、できないことなどない)」という言葉そのままである。
ネットにはこんな投稿もあった。ある中国人ネットユーザーが中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)が新発売した新型EV「問界(AITO) M9」を購入し、友人たちを誘って初乗りをした。みんな何の心配もなく、自由にしゃべったり議論したりしていると、EVのシステムに「政治批判の話題に気を付けよう」と注意された。
車室内モニタリングシステムを搭載する新型EVにとって、個人言論の監視や収集は十分可能だろう。別の中国EVが、車内モニタリングシステムで撮った車の持ち主のプライベート写真をネットに相次いで流出させた事件も最近発生した。
全体主義国家の中国は、空港や学校、タクシーなどあらゆる場所で監視システムを導入している。彼らが個人の生活スペースを見張る可能性は十分にあり得る。ジョージ・オーウェルが小説で描いた『1984年』は中国で実現するだろう。
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