コラム

娘を撮り続ける「ファミリーフォトジャーナリズム」とは何か

2015年12月08日(火)11時55分

From Gwen Coyne @gwencoyne

 自分の子供をドキュメンタリーとして本格的に写真に収めることは、ポピュラーとはいかないまでも、フォトドキュメンタリーの世界では時々行われる。優れた作品になることもある。今回紹介するカリフォルニア在住のInstgramフォトグラファー、グエン・コインもその一人だ。彼女はグラフィック・デザイナーでもある。

 数年前から娘グレッタの幼少時代、その成長過程を撮り続けている。舞台はカリフォルニアだ。コイン自身、#familyphotojournalismとハッシュタグをインスタグラムに付けてそのプロジェクトを位置づけているように、ビーチやプレイグラウンド、あるいは家でくつろぐ娘の姿を、客観的に捉えている。カリフォルニアの眩しい陽光とハイコントラストが生み出す影と光の爆発、あるいは逆に柔らかい光を巧みに取り入れて、幼少時代の子供が持つ純粋さや無邪気さを表しているのだ。

 同時にどこかダークな神秘性も漂っている。作品に強烈な光が多用されているにも関わらず、またグレッタのあどけなさにも関わらず、大人がつい見逃しがちな、子供たちの不安さ、危うさが見え隠れするのである。実のところ、この二律背反性がコインの作品の最大の魅力だ。それがなければ、単なる親バカ的な、可愛さだけを捉える写真で終わってしまうだろう。

プロフィール

Q.サカマキ

写真家/ジャーナリスト。
1986年よりニューヨーク在住。80年代は主にアメリカの社会問題を、90年代前半からは精力的に世界各地の紛争地を取材。作品はタイム誌、ニューズウィーク誌を含む各国のメディアやアートギャラリー、美術館で発表され、世界報道写真賞や米海外特派員クラブ「オリヴィエール・リボット賞」など多数の国際的な賞を受賞。コロンビア大学院国際関係学修士修了。写真集に『戦争——WAR DNA』(小学館)、"Tompkins Square Park"(powerHouse Books)など。フォトエージェンシー、リダックス所属。
インスタグラムは@qsakamaki(フォロワー数約9万人)
http://www.qsakamaki.com

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

バークシャー新CEO、前任バフェット氏の価値観堅持

ワールド

イランの変化、国民のため「適切な活用を」 ゼレンス

ワールド

早期沈静化へ「あらゆる外交努力」、イラン情勢巡り高

ワールド

情報BOX:ハメネイ師殺害で揺らぐイラン体制、次期
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    ドバイの空港・ホテルに被害 イランが湾岸諸国に報復攻撃、民間インフラも対象に
  • 4
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作…
  • 5
    「本当にテイラー?」「メイクの力が大きい...」テイ…
  • 6
    【銘柄】「三菱重工業」の株価上昇はどこまで続く...…
  • 7
    【銘柄】「ファナック」は新時代の主役か...フィジカ…
  • 8
    米・イスラエルの「イラン攻撃」受け、航空各社が中…
  • 9
    「高市大勝」に中国人が見せた意外な反応
  • 10
    最高指導者ハメネイ師死亡(イラン発表)、トランプ…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 4
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 5
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 6
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 7
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 8
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 9
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 10
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story