コラム

Fake it till you make it.(うまくいくまでは、うまくいっているふりをする)

2015年09月02日(水)16時45分

【今週のTED Talk動画】 Your body language shapes who you are - Amy Cuddy http://www.ted.com/talks/amy_cuddy_your_body_language_shapes...


HBS准教授による「パワーポーズ」の勧め

 エイミー・カディーはハーバード・ビジネススクールの准教授で、社会心理学が専門。最近の研究テーマは非言語コミュニケーションだという。多くの人は、自分のボディーランゲージが周囲に対する印象を決めることを知っているが、カディー氏がこのTED Talkで紹介するのは、自分のボディーランゲージが自分自身に対しても影響を与えるということだ。

 特に採用面接やプレゼンなどストレスの多い場面の前に、2分だけ「パワーポーズ」を取ると、自分の体の中のホルモンバランスが変わり、もっと自信を持って上手く対応できるようになるそうだ。結果に決定的な影響を与えるかもしれないこの「パワーポーズ」を広めようと、カディー氏は熱心に勧めている。

キーフレーズ解説

Fake it till you make it.
うまくいくまでは、うまくいっているふりをする。
(動画6:57より)

 この表現は、何かができないと思っても、ギブアップしないで、それができるようになるまでできているふりをし続けると、そのうちにできるようになることを意味しています。要するに、自信がなくても自信があるふりをすること。そうすることによって、成功に必要とされる経験とスキルを身につけられ、時間が経つにつれ自然と自信を持てるようになるのです。

 決まり文句として、アメリカではよく使われます。似た意味の表現として、act as if (望んでいる状況がすでにあるかのように振る舞う)というものもあります。

 この表現のtillはuntilの省略形です。Fake itは知っているふりをする、ごまかすという意味です。Make itは成功する、うまくいく、無事にやり遂げるという意味です。

 ここで、典型的な使われ方の例を紹介します:

●I know you're scared of giving presentations. But you just have to get up there and fake it till you make it!
(あなたがプレゼンをするのを恐れていることはわかっている。しかし演壇に上がって、うまくいくまでは、うまくいっているふりをするしかないんだよ!)

●When I joined the dance club, I had no idea what I was doing. But I just decided to fake it till I made it, and before I realized it I was dancing as well as the others.
(ダンスクラブに入った時、自分がやっていることを全くわかっていなかった。しかし、うまくいくまではうまくいっているふりをしようと決意したところ、気付いたらほかのメンバーと同じぐらい上手に踊っていた)

プロフィール

ロッシェル・カップ

Rochelle Kopp 異文化コミュニケ−ション、グローバル人材育成、そして人事管理を専門とする経営コンサルタント。日本の多国籍企業の海外進出や海外企業の日本拠点をサポートするジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社の創立者兼社長。イェ−ル大学歴史学部卒業、シガゴ大学経営大学院修了(MBA)。『シリコンバレーの英語――スタートアップ天国のしくみ』(IBC出版)、『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』(クロスメディア・パブリッシング)、『反省しないアメリカ人をあつかう方法34』(アルク)など著書多数。最新刊は『日本企業がシリコンバレーのスピードを身につける方法』(共著、クロスメディア・パブリッシング)。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

ユーロ高とインフレを楽観視、関税は経済を圧迫へ=E

ワールド

タイ商務相、対米関税交渉に自信 税率10%に引き下

ワールド

イスラエル商都などにミサイル、8人死亡 イラン「新

ビジネス

午後3時のドルは144円前半、中東情勢にらみ底堅い
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 7
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 10
    構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガ…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story